低価格で人気の蒼光通りのレストラン、売店 |
【平壌発=姜イルク、盧琴順記者】「バラエティーに富んだ特色ある料理を提供します」 蒼光通りにある「マンプントック店」の入口にはこのような看板が掲げられている。このレストランには、11月の第4週から焼肉、フェ(朝鮮の刺身)、スープ、麺、アルコールなどの新メニューが登場し、午後8時までだった営業時間も10時まで延長された。 空いたスペースで「特別料理」 「マンプントック店」のリ・ポクシル厨房長(50)はこれまで餅料理専門だったが、最近になってキムパプ(朝鮮ののり巻き)や麺、スパゲティーなど違う料理も手がけるようになった。 「国から援助を受けることなく、自らの力で生きていくための努力。また、レストラン運営のための資金を集めるためにも工夫しなくては」 「マンプントック店」では、11月末から「特別料理」を新たに設け、基本サービスとは別途に出している。「特別料理」はレストラン内の空いたスペースでのみ出される。 言うなれば店の中に別の店をもう一つ出したようなものだ。 価格は牛焼肉が200グラムで500ウォン(約450円)、麺300ウォン、平壌ビール200ウォンと平均より高く設定されている。 その理由についてリさんは、「原材料を市場価格で買い入れるため、メニュー価格も当然高くなる。でも味がいいという噂が広まって、『特別料理』を食べに来る客が増えている」そうだ。 低価格は国家負担 平壌では最近、「合意制」と呼ばれるレストランが多く運営されている。これは国定価格ではなく、レストランと客が「合意」した価格で営業するレストランのことを指す。「トック店」の「特別料理」はこれに該当する。
蒼光奉仕管理局の職員たちは、同レストランの基本方針について市民のためのサービスであると強調しながら、「自力で生きていくための努力」もつまるところ、市民に対するサービスを円滑に行うためだと語った。 「マンプントック店」の基本メニューはもちろんトック。一つ50ウォンだ。チャルトク(朝鮮の小豆餅)は20ウォン、キムチは10ウォンとなっている。「特別料理」に比べ価格が安いのは、原材料が国定価格で提供されているからだ。「結局、国が負担しているわけだが、低価格で市民たちに料理を提供することが基本」とリさん。 現在、蒼光通りで運営されている焼いもや焼栗の売店も他のそれに比べると低価格で、市民の人気を集めている。「カネが目的ではなく、市民のためにサービスを提供するのが私たちの仕事」とリさんは微笑んだ。 レストランの並ぶ蒼光通りは多くの市民で連日にぎわっている。 [朝鮮新報 2003.12.12] |