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上海で日本の戦争責任問題国際シンポジウム開催

上海で開かれた国際シンポ

 「日本のアジア侵略戦争責任問題国際シンポジウム」が18〜20日、中国・上海の上海師範大学教育国際交流センターで開催された。昨年5月、北南朝鮮、海外の団体が参加し朝鮮・平壌で開かれた「日本の過去清算を要求するアジア地域シンポジウム」の合意に基づき開かれたもの。北南朝鮮、日本、中国など7つの国と地域から延べ500余人が参加した。朝鮮人強制連行真相調査団(以下調査団)代表、被害者らも参加した。日本の過去清算問題で今年開かれた国際シンポとしては最大規模。被害者の人権回復を含む未解決の日本の戦後処理、戦後補償に関する諸問題が議論された。また17日には「日本の過去の清算を求める国際協議会」が発足され、日本からの謝罪と賠償を必ず勝ちとることで合意し、国際公聴会、討論会、証言集会などを開催(年1回以上)していくという。

軍人、軍属で北からフィリピンへ

 シンポ初日の開幕式では、開催国中国を代表して上海師範大学党委員会主任林樟傑書記が開幕辞を述べた後、朝鮮の日本軍「慰安婦」・強制連行被害者補償対策委員会(以下、対策委)の洪善玉委員長、元日本弁護士連合会会長の土屋公献氏、南朝鮮特別法推進委の郭東協共同代表、アジア女性人権委員会のネリア・サンチョ・リアオ代表(フィリピン)があいさつした。

 その後、2日間にわたって報告会が行われた。テーマは@日本国の戦争責任A「慰安婦」問題B強制労働問題C南京無差別虐殺問題D日本軍による毒ガス戦、化学戦争、細菌戦争E民間賠償F日本のアジア侵略の罪に関する調査研究−の7つで、計28人が報告し、元「慰安婦」、強制労働、南京大虐殺の被害者や肉親ら7人が証言した。

 対策委の洪委員長は報告で、日本による朝鮮人強制連行、拉致行為について説明しながら、日本の戦争責任を追及した。

 また調査団の金哲秀事務局次長は「朝鮮人軍人、軍属死亡者名簿の分析」と題し報告。「戦争末期、咸鏡南北道から20歳前後の朝鮮青年が最も戦闘のし烈であったフィリピンルソン島に連行され、多数が犠牲になった」という事実を初めて明らかにしながら、「被害者の証言収集ならびに遺族の捜索、遺骨の調査が急がれる」と、今後の課題について言及した。

 また質疑応答では、日本や米国で行われている日本の国家と企業を相手取ったこれまでの法廷闘争を分析し、その経験と教訓をもとに、被害国すべてにおいて国内裁判を展開していこうという、これまでになかった提案もなされた。

南の性奴隷被害者も証言

 シンポでは分科討論会も開かれた。調査団の洪祥進事務局長が「朝鮮人強制連行の概念」、埼玉調査団の尹東煥団長が「日本政府は関東大震災時における朝鮮人虐殺事件の真相を究明し、その責任を認め、謝罪しなければならない」と題し報告(筆者代読)した。

 日本の戦争犯罪に関する証言も行われた。南朝鮮から駆けつけた日本による性奴隷被害者の李容洙ハルモニは、「何が『慰安婦』だ、私の父母はそんなことをさせるために私を産んでくれたわけではない。日本政府は私が死ぬのを待っているが、謝罪と正義を勝ち取り、名誉を回復するまで、歴史の生き証人として日本政府を糾弾し続ける」と涙ながらに証言した。ほかにも日本軍の遺棄毒ガス、化学兵器によって傷つけられた中国の人たちなどが発言した。

 シンポは、参加国および各地域でそれぞれの研究をさらに深め、運動を幅広く展開し、来年もまた同様の会合を開くことを確認し合いながら閉幕した。

 一方、参加者らは上海の中心部に残された、元「慰安所」も訪れた。(宋恵淑、在日本朝鮮人人権協会事務局)

[朝鮮新報 2003.9.25]