今はばたくとき、「夢」を一歩一歩実らせ |
プロ3年目。4月から始まる日本ゴルフツアーの公式戦で、良い成績を収めるのが当面の目標だ。各地を訪れるごとに、温かい声援を送ってくれる同胞のみなさんに感謝している。今後は、僕に次ぐ第2、第3のプロゴルフプレイヤーが出てきてくれたらと思う。(良い成績収めたい−プロゴルファー、白佳和さん、23) 日本の学校へ行った子の中には、同化してしまう例が多いと聞く。僕の場合はそうじゃなかった。かえって彼らとの違い、朝鮮人としての自覚を強く抱くようになった。自分に誇りを持ち、祖国の文化や歴史にも通じ、歌によって人々が幸せになってくれれば良い。(歌で人々を幸せにしたい−声楽家・バリトン、河一球さん、23) 日本各地で巡回公演をしながら、歌劇団を支え、団員たちをねぎらう同胞の温かさに触れてきた。昨年9月以降は物々しい雰囲気の中、無事公演が終わると、いつにも増して実行委員や観客の方々に感謝の気持ちでいっぱいになった。各地で応援してくれている同胞の期待に応えたい。(同胞の期待に応えたい−金剛山歌劇団チャンセナプ奏者、崔栄徳さん、28) 辛くても自分で決めた道だから、他人のせいにはできない。1年休んだら2度と戻れない厳しい世界。プロの道は甘くないけど、後輩たちの励みになりたい。日本国外に出て、はじめて1世の苦労を経験しているような気分になった。彼らのパイオニア精神を見習いたい。(プロの道は厳しいけれど−米・ミネソタダンスシアター、高美華さん、26) 長い間の念願だった高齢者介護施設が1月15日にいよいよオープンする。人間の尊厳に満ちた介護を心掛けたい。済州島から日本に来て68年。東京都足立区に西新井病院を創設して今年は50周年になる。ますます忙しくなりそうだ。(人間の尊厳に満ちた介護を−西新井病院理事長、金萬有さん、88) コリアンパワー限りない 未来を担う若者たちのパワーは限りない。ある者は絵画で、ある者は音楽で、ある者はスポーツで、そのみなぎる活力を表現する。 昨年、1年間をかけて「若きアーティストたち」の取材を行ってきた。画家の柳純華さんは、自身が絵を描くようになったきっかけを「大きなキャンバスに向かって、絵筆を動かし続ける先生のひたむきな姿がカッコ良くて、朝鮮画をやりたいと思いました」と語っている。また、チャンゴ演奏家で講師の具良美さんは、「朝鮮の芸術を世に伝えること、そしてチャンゴを叩き続けることは、亡くなったアボジの恩に報いることだと思える」と話している。 彼らに共通する想い―。それは、日本の地で生まれ育っても自身のルーツをしっかりと見据え、地に足つけて未来へとつながる道を一歩一歩しっかりと着実に歩み続けることだといえよう。 だからこそ取材に応える彼らの言葉の端々からは、若者特有の浮き足立った幻想的な「夢物語」よりむしろ、自身の手で確実につかもうとする強い気迫が感じ取られたのだと思う。 ギターの弾き語りをしている金宗碩さんは「卒業後もウリハッキョのトンムたちや同胞社会とのきずなを大切にしている。自分に翼をくれたのは、ウリハッキョだから」と話している。 在日1世の祖父母をはじめ、今日の民族教育を守り、支え続けてくれた両親や多くの同胞、学校の先生方、友人、そして彼らの後に続く後輩たちへの想いが、この上ない力となり、彼らの支えとなっている。 新年を迎え、また新たな一歩を力強く踏み出す多くの若者たちに熱いエールを送りたい。(金潤順記者) [朝鮮新報 2003.1.1] |