統一と和解へ−北、南、在日、日本の作曲家の想い込め「アリラン」の主題による変奏曲集出版 |
昨年6月、6.15共同宣言発表2周年を記念して「アリラン」コンサートと講演「日、朝、韓の作曲家による『アリランの主題による変奏曲』集」が開かれた。 林光、池辺晋一郎さんをはじめとした日本の著名な音楽家たちが祖国統一を実現しようとする北と南、在日音楽家と手を取り合い実現したイベントでは、在日同胞作曲家・金学権さんの講演「『アリラン』について」と、北、南、在日の作曲家が「アリラン」をテーマに創った曲と10人の日本人作曲家たちの合作による「アリラン変奏曲」が披露された。本書はその作品集。金さんの講演内容も収録されている。 林光さんは冒頭のあいさつで「ひとり1輪ずつの花をつなぐという当初の計画は多少軌道修正がなされ、金善哲さん、鄭権さん、金学権さんのそれぞれの大花と、日本の作曲家10人の持ち寄りということになったが、1つの歌に込められたそれぞれの思いに変わりはない」と書き、池辺晋一郎さんは「『アリラン』はいわば隣の家の優しいお祖父さんだ。海ですら遮断できないのが、真の歌の力なのではないか。2つに分けられてしまっている1つの民族と、海をはさんだ隣家の日本…3つの地域の作曲家たちが『アリラン』の魂にアプローチした」と書いている。統一と和解に向けた、北、南、在日そして10人の日本の作曲家たちの熱い想いが込められた作品集である。(全音楽譜出版社。定価=2000円+税。東京都新宿区上落合2―13―3。TEL 03・3227・6270。URL=http://www.zen-on.co.jp/) [朝鮮新報 2003.1.15] |