日常生活の中に書を取り入れ−千葉書芸教室「ウンピニョ会」「ピダン会」合同新年会 |
朝銀千葉(当時)女性後援会を中心に、朝銀千葉本店と船橋支店で、書芸教室が始まったのは8年前のこと。10日、JR市川駅付近の飲食店で、「ウンピニョ会」(千葉)と「ピダン会」(船橋)の合同新年会が開かれた。参加者は、30〜70代の同胞女性たち。 かつて儒教の影響や経済的な理由などで、学ぶ機会に恵まれなかった朝鮮女性は多い。「ウンピニョ会」の白文子さん(69)もその1人である。白さんは、書芸教室に通いはじめたきっかけを「文字を習いたくて」と話していた。 「はじめは先生のくれた手本を見ても、書き順がわからなくて。縦の線を先に書くのか、横を先に書くのかさえわからなかった」。そんな白さんだったが、この8年の間に「5段」を取るほどまでに成長した。「以前は、年賀状もすべて業者任せの印刷だった。でも今は、自分が書いたものを送るようにしている。練習をするときには、友達が来ようが、孫が来ようが、寄せ付けない。集中して書かないと良いものが書けないから」と、満面の笑みを浮かべる。 指導にあたっている書藝社の礒部有香さん(65)は、書を日常の中に取り入れることをモットーにしている。ここの教室で最初に指導したのが名前の書き方。「生活の中でもっとも書く機会が多いのが名前」だからである。先生の指導を受けながら熱心に筆を運ぶオモニたちの姿を、彼女は「砂地に水が吸い込むよう」だと表現する。 2003年の初顔合わせとなったこの日、参加者たちは、色とりどりのチマ・チョゴリを着て新年会に集まった。新年会では、「ピダン会」の宋秀子さん(73)に師範の免状、その他2人に雅号が授与された。この教室で「師範」取得者が出るのは初めてのこと。 宋さんは「このほかにも千葉県では、同胞女性を対象にした、生け花、朝鮮書芸、チャンゴなどの文化サークルが多彩な活動を繰り広げている。同胞女性らがひとつの場所に集い、互いに親ぼくを深めることは、同胞同士のきずなを強めるためにも必要だと思う。これからもこのような場を大切にしていきたい」と話していた。(金潤順記者) [朝鮮新報 2003.1.31] |