くらしの周辺−「町の法律屋さん」 |
最近、テレビで法律関係のバラエティー番組が多い。私も解答者気分でジャッジを下し楽しんでいる視聴者の一人である。 そんな私の所へ友人からある相談がきた。飲食店で外れかけた部屋の仕切り戸に腕をぶつけた「客」が、飲食代の値引きを迫ってきたのだが、それを断ると、医者の診断書を持って後日やってくるという。風貌からして一癖ありそうな「客」だっただけに、心配で相談にきたというのだ。私はまじめな友人を気使い、「客」がまた来たときの対処法について、複数の従業員で対応すること、絶対に金銭的要求を飲まないこと、不備については謝りつつも毅然とした態度で接することをアドバイスした。そして、もし「客」が脅迫まがいのことを言ってきたら、総聯と親交のある弁護士に相談し、間に入ってもらうこともできるから心配しないようにと慰めた。 数日後、案の定その「客」は現れたが、友人はいざとなれば弁護士に相談しようと決心し、対応したという。「客」は医者には見てもらわなかったようで、店の安全管理について講釈を述べて帰っていった。幸いにも大きなトラブルにはならなかった。 世間ではこのようなトラブルはきっと多いにちがいない。しかし、皆誰に相談して良いかわからず、困っているように思う。事実、知人や紹介者がいなければ、弁護士にまで相談しようとは思わないはず。アドバイスと専門家の紹介だけでも良いから、正義と弱者の味方になってくれる「町の法律屋さん」が身近にあって欲しい。それこそ「同胞生活相談センター」の出番なのでは?(鄭哲巌、群馬・団体職員) [朝鮮新報 2003.2.21] |