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女性解放闘争史の研究を

ソウル大学講師 金正仁さん

 来日して何より驚いたのが「どうしてこんなに反北意識が高まっているのだろう!」ということ。先日、グローバル化と人権・教科書をテーマに開かれた「歴史認識と東アジアの平和フォーラム」に参加した。

 「韓国ではいま、北ではなく、米国を危険な国だと考える人が大勢いる。そうした人々がこのような事態を知ったら、とんでもない波及力があると思った」

 なぜなら南では、反米より反日感情の波及力の方が「想像を越えるほど」大きいからだ。「韓、米、日の共存は、政治的な構造であって、韓国人の情緒を代弁するものではない」。

 ソウル大学講師、日本の教科書を正す運動本部・韓中日教材開発特別委員会委員でもある。朝鮮近現代史を専攻する史学者として「近現代の女性史は、女性解放闘争史を中心に叙述されなければならない」と考える。日本の植民地下に置かれた東アジアでは、女性と子供が甚大な被害を受けた。しかし、その時代にも民族解放のために重要な役割を果たした多くの女性がいた。封建的な家制度や侵略戦争の犠牲者であるといった部分ばかりがクローズアップされるのではなく、「女性の闘争史」を掘り下げるべきだと指摘する。

 こんにち、イラク情勢が緊迫する中で、平和教育、反戦教育の重要性が問われている。「北も含めて、韓中日が平和教育と出会う『生きた歴史教育』のため連帯しなくてはならない。加害と被害の歴史を繰り返さないためにも平和教育が必要だ」。

[朝鮮新報 2003.3.12]