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朝鮮学校に入学する子供たちに「心からおめでとう」を!−「応援隊」呼びかけ人代表・横川芳江さん

 朝鮮学校に通う子供たちの新しい門出を祝い、神奈川県のNPO団体をはじめ市民らが「朝鮮学校入学おめでとう応援隊」を企画。4月1日と5日の入学式に合わせ、県内4つの朝鮮学校の正門前で「入学おめでとう」の幟をかかげ、新入生を祝福する。また、入学式から1週間、横浜駅構内および同駅周辺8カ所の集合場所で、毎朝登校時に児童を見守り安全を確保する。

 呼びかけ人代表の横川芳江さん(特定非営利活動法人「地球の木」代表)は、昨年秋以降、連日繰り返される拉致事件、核開発、ミサイル問題等に関するマスコミ報道によって、各地で在日コリアンに対する偏見、差別意識からくる嫌がらせや暴力が起こり、子供たちが学ぶ民族学校までが脅迫の対象となっていることに胸を痛めた。

 「先日、朝鮮学校の先生から『昨日も1時間半ほど脅しの電話があった』という話を聞いた。ミサイル問題があってのことだろうが、学校という場にそのような電話をかけるのは本当に腹立たしい。そうした声ばかりが大きいのはすごく残念。きっとそういう人は少数なのに…」と話す。

 そして、そのような声に対してもっと良い声を届けようと思い立ったのが「応援隊」だ。

 「私たちは応援してるよっていうのを形にしてみようと思って。入学式は子供にとってうれしいことなのに、それが不安や心配だらけだなんてとても残念。子供たちが傷つけられたり、おびえたりすることなく学校に通えるよう、みんなで見守ることにしようと呼びかけた。そして、心から『おめでとう!』の気持ちを伝えようと、話しがどんどん進んでいった」

 朝鮮学校では、朝・日首脳会談が開かれた昨年の9月中旬以降から、生徒たちの集団登校が続いている。初中高併設の神奈川朝鮮初中高級学校では、高校生が初級部の子供たちを連れて毎朝登校している。

 「8日に行われた公開授業に行ったとき、登校時にとても気を張っていて、学校に着いたら気が抜けちゃうという高校生の話を聞いた。大人が見守ってあげると少しは気が楽になるかと思い、『見守る隊』を作ることに」。核とかミサイルとか政治的なことはさて置いて、子供たちが安心して通学できるようにするのが基本だと彼女は話す。

 「これはすごく単純なことだけど、多文化共生社会を作ることは、地域に暮す私たちにとってもとても大切なこと。新入生の門出を皆でお祝いしたい」

 いま、「応援隊」への参加を広く呼びかけている。(金潤順記者)

[朝鮮新報 2003.3.26]