コッソンイ作文コンクール1等作品−5 |
通学バス「希望」号!(姜愛美、静岡初中初級部3年) ある日、先生が教室に入ってきて「みなさん、名前を考えましょう」と言われました。「なんの名前だろう、赤ちゃんの名前? 先生に子どもが生まれたなんて話は聞いてないけれど。それとも子犬の名前かな? うーん、でもウリハッキョに子犬はいないし。一体なんの名前だろう?」と考えていると、先生は「オモニたちが10年以上こつこつとためてきたお金で新しい通学バスを買ってくれるんだよ」とおっしゃいました。 私は家に帰る電車の中で、「そうか、『アボジ』号『オモニ』号に続いて3台目のバスに名前をつけるんだ」と思いながらバスの名前を考えました。 私は「ウリナラで一番美しい山の金剛山から取って『金剛』号はどうだろう。それとも、祖国統一を願い『統一』号…、うん、これがいい」と思い、次の日さっそく先生に「統一」号と伝えました。 3日後の朝のことでした。先生が「バスの名前が決まりました」と言われました。私は「どんな名前に決まったんだろう?」と目を閉じ、先生の言葉を待ちました。胸がどきどきしています。 「バスの名前は『希望』号です」という先生の言葉に「統一号は?」とちょっとがっかりしました。でもみんなで決めたことだから仕方がないと思い直し、「希望号…」と口の中でつぶやいてみました。 いよいよ「希望」号が学校にやってくる日がきました。 ぴかぴか光る新しいバス。やっぱりかっこよかったです。 トンム(友だち)たちみんなが「わーいいな、かっこいいな」。4年生のオッパ(お兄さん)は「僕たちを乗せて『チビッコサッカー大会』競技場までスイスイ走ってくれるかな」と喜んでいました。オモニたちは金と銀のモールで飾られた新しいバスの前に並び、うれしそうに記念撮影をしていました。 みんな「アボジ」号を忘れているようでした。私はかわいそうになり、「アボジ」号を見上げました。私はびっくりしました。見知らぬ日本の人が運転席に座っていたからです。私は「『アボジ』号はどこに行くのだろう? かわいそう」と思い先生の顔を見ました。先生は私の思いを察したのか、「愛美、『アボジ』号は子どもたちを10年以上乗せて走ったんだよ。疲れたので少しお休みするんだよ」と言われました。それでもひどいと思って1年生の時、私たちを乗せてくれたかわいそうな「アボジ」号を見ました。すると「アボジ」号が私にこう言うではありませんか。「愛美、心配しないで。私は今まで君のオッパやオンニ(お姉さん)、たくさんの子どもたちを乗せてきたんだよ。そう、君の担任の先生もね。私も年を取ったのさ。力持ちの私の息子、『希望』号が来たから僕はもう交代するよ。僕の息子をよろしくね」 私はまた「希望」号を見ました。すると「希望」号は「アボジ(お父さん)、お疲れ様でした。愛美、僕は『アボジ』号のように雪や雨が降っても君たちのために一生懸命走るよ」というのでした。いま「希望」号は私たちを乗せて走ります。オッパは言います。「オモニたちの希望にこたえるため、今日も希望号に乗ってウリハッキョへ向かおう」。(原文は朝鮮語、編集部訳) [朝鮮新報 2003.3.28] |