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コッソンイ作文コンクール1等作品

チョンシムとテソン(朴舜珠、明石初級5年)

 いとこのチョンシムとテソンはいつも私の家族に笑いをもたらしてくれます。チョンシムは初級部2年生の女の子、テソンは幼稚園児です。でも2人は日本の学校に通っています。チョンシムとテソンは私の家に来ると必ず、ウリマルを教えてとせがみます。それで私は家で「ウリマル教室」を開き、私自身がチビッコ先生になって2人にウリマルを教えています。

 私は「いただきます」「ごちそうさまでした」「ありがとう」「よろしくお願いします」などのあいさつを教えてあげました。チョンシムは習ったウリマルを生活の中で少しでも使ってみようと努力しています。

 そんなある日、習ったウリマルを忘れてはいけないと思ったチョンシムは、学校で給食時間に「いただきます」と言ったあと、1人で「モッケッスムニダ」と言ったそうです。すると周りの友達が「なーに?」「その言葉なーに?」「何語?」と質問したそうです。チョンシムは落ち着いた顔でどんな意味かを友達に教えてあげました。「いただきます」を朝鮮語で言うと「モッケッスムニダ」となり、私は朝鮮人だからそう言うのよ、と自信たっぷりに答えたそうです。するとクラスメイトはみんな感心し、ほかの言葉も教えてと言って離さなかったそうです。

 チョンシムはうれしくなり、家に帰ってすぐに自分のオモニにこのことを真っ先に話したそうです。

 その時からチョンシムのクラスメイトは食事の前に必ず「モッケッスムニダ!」と言うようになったそうです。おもしろい話でしょう?

 こんなことがあって、私はチョンシムがもっと好きになりました。ウリマルももっとたくさん教えてあげるようになりました。

 もちろんテソンもかわいいです。テソンが私の家に泊まったある日、みんな「アンニョンヒ チュムシプシオ(おやすみなさい)」と言って布団に入ったのですが、テソンはその意味が分からず「モッケッスムニダ」と大きな声で叫んで私たちを笑わせました。テソンは男のくせに私をみて「スンジュオンニ」と呼びます。2年生の私の弟をみても「セジュオンニ」と呼ぶのでおかしくてたまりません。私が「ヌナ」と「オンニ」の違いをきちんと教えてあげられなかったからだと思います。

 私はチョンシムとテソンが大好きです。なので2人が私の家に来たら「ウリマル教室」をまた開いて、もっとたくさんのウリマルを教えてあげたいです。けれど私はまだ子どもなので、2人がウリハッキョに通って私たちの先生からウリマルを習うことができれば一番良いと思います。また、気持ちのあたたかいトンムがいて楽しいクラブと給食時間があるウリハッキョに来てくれればとてもうれしいです。

 私は毎週木曜日の朝に学校で行われる「ウリマル教室」にチョンシムとテソンが参加したら、2人がどんなに喜ぶだろうと思ってみます。そんな日が早く来るように、これからも「チビッコ先生」になっていとこのチョンシムとテソンにウリマルを一生懸命教えてあげたいです。(「ヌナ」は、男の子が姉を呼ぶ時、「オンニ」は女の子が姉を呼ぶ時、それぞれ区別して使う。原文は朝鮮語、編集部訳)

[朝鮮新報 2003.3.29]