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済州島4.3事件55周年記念講演とマダン劇「漢拏の慟哭」、1100人が観覧

 済州島4.3事件55周年を記念して、東京都荒川区の日暮里サニーホールで10、11日、講演とマダン劇「漢拏の慟哭」が行われ、約1100人が会場に訪れた。

 講演では、済州4.3事件真相調査企画団・梁祚勲首席専門委員が「済州4.3事件真相調査報告書の意義」について語り、3月29日に確定した政府「報告書」に、4.3事件によるおびただしい犠牲は、国家の公権力によってもたらされたものであり、軍警討伐隊が裁判の手続きもなしに非武装の民間人を殺傷したこと、しかも子供や老人までもを殺害した重大な人権蹂躙であったという事実が明らかにされていると伝えた。

 そして、48年に済州島で起こったこの事件は、ジェノサイド(集団虐殺)犯罪防止を定めた国際協約に反するものであり、国際法が求める文明社会の基本原則を無視するものである。当時の済州島は、世界的な冷戦体制下の最大の被害地域であり、まさにこの点が真相究明を50年間にわたって抑制する要因として作用したとの分析を示した。

 盧武鉉大統領は2日、4.3事件委員会の委員を青瓦台に招き、犠牲者の遺族に追悼の意を表し、来年の慰霊祭には自ら参加し、公式謝罪などを表明することを約束した。梁委員は「ここに至るには、歪曲された4.3事件の真実をただそうとする済州人たちの熱い情熱と信念がある」と発言し、真相究明運動は、済州、ソウル、日本で活発に展開され、「ついには韓国政府も無視できないほどの巨大な運動の力を発揮することができた」と話した。

 講演に続き行われたマダン劇「漢拏の慟哭」(劇団ノリペ・ハルラサン)では、4.3事件の中でも悲劇的なできごとであった北村里集団虐殺が取り上げられた。東京都足立区の金英才さん(52)は、幼い頃から母親に4.3事件について聞かされてきたと言いながら「母自身も事件について断片的には知っていても、全容はわからないと思う。講演、演劇すべてわかりやすかった。こうした活動が亡くなった方への供養になると思う」と話していた。(潤)

[朝鮮新報 2003.4.21]