top_rogo.gif (16396 bytes)

くらしの周辺−誤解を解いてこそ

 「えっ、そんなこと言ってないよ」「そんなつもりじゃなかったのに…」

 よく聞く会話だが、この世は誤解が多い。職場や家庭、友人関係から、芸能界、社会問題にいたるまで話はおよぶ。

 聞き間違い、説明不足、誤った情報、不適切な態度など原因はさまざま。「噂」や「小耳にはさんだ話」など、不正確な情報が新しい「事実」になってしまうなんてこともよくあることだ。まったく根拠もない嘘、偽りから発した誤解は、もはや人を陥れるための陰謀としか言いようがない。

 誤解は誰しも早いうちに解きたいと思うはず。誤解を解く過程ではいやな思いをし、心を痛めるかもしれないし、他人まで巻き込むかもしれない。それにかなりの勇気もいるし、エネルギーも費やすことになるだろう。だが、一生誤解されるよりはましである。小さな誤解が手遅れになって、取り返しのつかないことになることだってあるのだから。誤解はできるだけ小さいうちに解くことが大切だが、たいていは事が大きくなって初めてその深刻さに気付き、事態収拾に乗り出すことが多い。

 昨年の9.17以降、堰を切ったようにあふれ出た総聯や祖国に対する意見。それには、教訓として捕らえなければならない事実もある。だが、悪意を持った日本のマスコミの偏向報道により、祖国や総聯の姿が、無意識的に歪められているのも少なくない。

 今、同胞社会で求められているものは、こうしたさまざまな誤解を一つ一つ誠意を持って解いていくことだと思う。絡まった糸のかたまりを根気強くほぐすように。(鄭哲巌、団体職員)

[朝鮮新報 2003.4.21]