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「キムチはオモニの人生の暦」

「キムチ物語」を出版 李連順さん

 昨年末に刊行された李連順氏著「キムチ物語」(光村推古書院=075・493・8244)の出版記念パーティーが20日、京都市内のホテルで友人、親戚ら約150人が集って賑やかに開かれた。

 李さんは今年69歳。京都でも味が評判の「キムチのほし山」の顧問。キムチ漬け一筋に歩んだ献身の半生を温かい筆致で描いた。

 あいさつに立った李さんは「長年キムチと向き合い、明け暮れる中で、大勢の人たちと出会い、支えられてきた」とまず感謝の気持ちを述べながら、かつて「にんにく臭い」と蔑まれ、民族差別の代名詞のような存在だったキムチが、日本でもっとも美味しく、愛される漬物になったことに隔世の感があると語った。

 李さんはキムチの製造、販売で成功した歩みを振り返りながら、「その種を蒔いてくれたのは1世のハルモニたち」だったと思い出を語った。そして、「ギリギリの貧しさの中でも失わなかった彼女たちの明るさや生きる力のたくましさ、同胞としての凛とした誇らしさが私を強く励ましてくれた」、「オモニやハルモニたちの人生の暦は、キムチなくしてそのページをめくることはできない」と語ると、会場に大きな拍手が広がった。

 様々な苦労を、持ち前の聡明さとひたむきな努力で乗り越えた人間味あふれる物語。本書は推薦図書にも選ばれ、京都市内の全公立学校にも置かれ、日本の子供たちにも広く愛読されている。

[朝鮮新報 2003.4.30]