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「私の祖先は高句麗人です」

5.11野遊会でスピーチ 高麗文康さん

 高麗川の清流を望む地に鎮座する高麗神社。現在、その宮司は、始祖・若光の直系の子孫で、59代目の高麗澄雄氏(75)。「高麗氏は若光歿後、長子家重が家を継いで以来、今日まで59代相伝え、連綿として正系を保っている」(「高麗神社と高麗郷」)日本最古の名家だ。

 その高麗家の禰宜(プリンス)が文康氏(35)。5月11日、同神社を訪れた「高麗野遊会」一行の前でユーモア溢れるあいさつをした。

 文康さんは「私の祖先は高句麗人です」と切り出して、日本で最も古い高麗家の族譜に触れながら、「私には職業選択の自由はありません」と語って満場の笑いを誘った。そして、「男子相伝」と言われる宮司職について「1200年の間には、できのよいのも、できの悪いのもいましたが、祖先から伝えられてきた伝統と文化をひたすら守ってきました」。そして、少し前に高麗神社を訪れた東京朝鮮中高級学校の生徒たちに、「いまは大変な時ですが、祖先の誇りと伝統を守っていきましょう、と伝えました。大人がそんな風に子供たちを見守りたいですね」とさわやかに語った。

 文康さんは前に高句麗の故地・集安(現在は中国・東北地方)に行って、好太王(四世紀末・広開土王)碑文を見てきたことがある。「碑文の前に立った時、日本広しと言えどもここまで自分の先祖を辿れるのは私だけだろうなと思ったら、よい気分でした」と胸を張った。

[朝鮮新報 2003.5.28]