top_rogo.gif (16396 bytes)

高麗人参余話(8)−五臓補い、精神を安定

 人蔘の効能については古くから研究され、文献に記載されている。

 金(12〜13世紀)の張元素は人蔘について次のように記した。

 「人蔘は体力の低下や元気の不足を、胃を暖めて消化吸収をよくし、代謝を盛んにして治す」

 人蔘を配合した古くからの漢方方剤としては「補中益気湯」、「独参湯」、「四君子湯」「人蔘養栄湯」など多数ある。ウリナラの3大東医古典のひとつである「郷薬集成方」(1450年)には人蔘の薬効について次のように記されている。

 「五臓を補い、精神を安定させ、驚いたときの胸の動悸を抑え、邪気を祓う。目を明るくし、心気を扶け、胃の冷えを癒し、腹痛、胸や脇のつかえ、かく乱と吐き気を治療する。渇きを癒し、血行をよくし、癇癪をほぐす。記憶力をよくし、長期間使えば体が軽くなり長寿する」

 漢方では人蔘の薬効を総合し、現代医学的に次のような七効説を提唱している。

 1、補気救脱−元気を補い、体力の衰弱、一時的な虚脱状態に効果がある。即ち、体力を増進する作用がある。
 2、益血復脈−血液の生成と循環を旺盛にしてくれるので、肺と脾臓の機能を扶ける。
 3、養心安神−気持ちを落ち着かせ、神経を安定させるので、精神不安やストレスを解消する。
 4、生津止渇−全身の機能を増進し、体が必要とする体液をつくってくれるので渇きを解消する。糖尿病の治療に有効である。
 5、補肺定喘−呼吸を安定させるので呼吸器疾患に効果がある。
 6、健脾止瀉−腸管を丈夫にしてくれるので下痢を抑える。
 消化器官を丈夫にして、消化機能を扶ける。
 7、托毒合瘡−体内の毒素を除き、代謝機能の不足から起き易い病気に抵抗力をつける。

 皮膚の機能を正常化し、腫瘍に対しても有効な作用。(洪南基、神奈川大学理学部非常勤講師)

[朝鮮新報 2003.7.11]