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平和へのメッセージ込め376点−「南北コリアと日本のともだち展」

北南朝鮮、在日、日本の子どもたちの絵が一堂に展示された

 今年で3年目となる「南北コリアと日本のともだち展」(主催=同実行委員会)が9〜16日、東京渋谷の東京都児童会館で開かれた。今年も北南朝鮮、日本の子どもたちの絵が一堂に展示され、お互いが絵を通して未来の友達に向けて、平和のメッセージを伝え合った。13日に行われたワークショップでは、南と在日、日本の子どもたちが集い親ぼくを深めた。14日には、南の子どもたちが朝鮮学校、日本学校を訪問した。

 今年の「ともだち展」に展示された絵は、全部で376点。北から33点、南から31点、日本に住む子どもたちの絵は、毎年協力している東京の朝鮮学校と韓国学校以外から一般公募で276点が集まった。事務局の筒井由紀子さんは、「昨年に比べ送ってきた絵の数はものすごく増えた。朝鮮バッシングの社会風潮が作られるなか心配したが、3年目を迎えつながりが着実に広がっていることを実感できた」と語る。

 絵にはそれぞれ絵を描いた子どもたちのメッセージが添えられている。「統一して早く会えればいいのにね。心の壁を越えて一緒に遊びたい」(チョン・ハリム、ソウル市、小5)、「いろいろな国の人たちが他の国の人と仲良くなることで、戦争や差別などなくなり、平和になると思っています」(ギブソン理恵、京都市、小6)など、みんなが友達になり平和な社会を作りたいと願うものが多かった。

 東京朝鮮第3初級学校6年の任美明さんは、「仲良くなれたら良いな」というタイトルで絵を出展。「朝鮮人も日本人も、どこの国の人も仲良く暮らせれば良いなという思いを込めて描きました」と語る。

 朝鮮からは今回、33人の絵が送られてきた。平壌市以外の小学校(平城市の徳性小学校)からも初めて出展しており、学校生活や兄弟の姿など普段の生活を描いたものが多かった。

 事務局の吉田清美さんは、「朝鮮に対する人道支援を行う6つのNGOがネットワークを作り始めたのがこの絵画展。大人はいろいろな先入観を持っているが、子どもたちは素直に何の違和感もなくいろんな壁を越えることができる。今では、国際交流を考えるきっかけになってくれればと、子どもを積極的に参加させている親もいる。この場に南の子どもたちは来ているが、北の子どもたちは来ることができない。なぜ来られないのか。それは大人の責任であるが、そのことを子どもたちも考えてくれればいい」と絵画展の意義を語る。

ワークショップでは楽しいゲームですぐに打ち解けあった

 14日に行われたワークショップには、南朝鮮からNGO「南北オリニオッケドンム」の11人の子どもたちも参加した。ワークショップであいさつに立った「オッケドンム」の李起範事務総長は、「この場に北の子どもたちが参加できないでいることを残念に思う。今は絵を通じてしか出会えないが、将来は直接会うことができる。そういう希望をみんなが持ってください」と子どもたちに訴えた。

 簡単なゲームの後、南、在日、日本の子どもたちがいくつかのグループにわかれ親ぼくを深めた。自己紹介をした後、自画像を描いてコンピューターでお互いの絵をつないだり、朝鮮半島と日本の地図を広げ地名を探すゲームをしたりと、楽しいひと時を過ごした。

 「オッケドンム」のリ・ジェユンさん(12歳)は、「昨年に続いて2度目になるが、日本人、在日同胞の友だちができてうれしい。顔の形や肌の色の違うほかの国の人ともお互いに仲良くなれるのだと思う」と感想を語ってくれた。(琴基徹記者)

 実行委員会では絵画展の賛同金を募っている。郵便振替=口座番号:00100―4―540884、口座名:「南北コリアと日本のともだち展」

[朝鮮新報 2003.7.17]