開こう!本の世界の扉を−国際子ども図書館 |
上野公園の木立の中をくぐり抜けてしばらく行くと、どっしりとしたたたずまいの国際子ども図書館がある。 国立国会図書館の支部図書館として、2000年に設立された日本初の国立の児童書専門図書館だ。子どものためのフロア(1階)、大人のためのフロア(2階)、大人と子どものためのフロア(3、4階)の3つのフロアで展開される図書館には、約30万冊の児童書と関連資料が収められている。 大人のひざくらいの高さの小さな椅子、同じく低い机。1階「子どものへや」は子どもを対象とする閲覧室だ。部屋のどこで本を開いてもページに自分の影が落ちないよう、影のない部屋に設計されているという。 室内を丸く取り囲むように配置された本棚には歴史、地理、社会、宇宙、植物、動物、環境のほか、日本の物語、外国の物語、絵本、昔話、ことばあそびなど、いろいろな分野の本が種類別にわかりやすく並べられている。本は子ども用の検索端末で簡単に探すこともできる。 となりの「世界を知るへや」には、世界各国と各地域の地理、歴史、民俗等を紹介する資料や海外の絵本など、子どもたちが世界に興味や関心を持ち、国際理解を深めることを目的とした資料を開架している。 ここには「朝鮮を知る事典」(平凡社)、「韓国の子どもたち」(学研)、「アジアの昔話」(こぐま社)、「朝鮮の子どもの遊び博物館」(東方出版)など朝鮮関連書籍のコーナーも設けられていた。また、「おはなしのへや」では、絵本の読み聞かせやおはなし会を土曜、日曜に定期的に開催している。 図書館2階は大人のコーナー。利用は18歳以上の者に限られる。 第一資料室には、日本とアジア諸国で刊行された児童書や関連資料が開架されている。壁を天井まで覆い尽くす書籍の数々。各国語で書かれた本はここで閲覧できる。第二資料室には、外国(アジア諸国を除く)で刊行された児童書や関連資料を開架。納本された児童向けのパッケージ系電子出版物やマイクロ形態資料の閲覧もできる。 また、3階に設けられた「メディアふれあいコーナー」では、子どもたちが親しめるさまざまなDVD-ROMなどの電子出版物や、国際子ども図書館が作成した「絵本ギャラリー」をパソコン等を通して見ることができる。そして「本のミュージアム」では、子どもの本に関する展示会を年数回開催。他にも子どもを主な対象とした科学あそびなどのイベントや児童文学作家、児童図書館関係者等を講師に招いての講演会なども開催している。 広報担当の大塚晶乙さんの話によると、「2000年の開館から約32万人の人が訪れている」。第一資料室に置かれた日本およびアジア関連書籍の数は2万5000冊。館外への貸し出しはできないので、目を通そうと思ったら通いつめなくてはならないようだ。 夏休み。子どもと一緒に、あるいは1人で、ぶらっと出かけてみてはいかがだろう。 【アクセス】東京都台東区上野公園12―49。TEL 03・3827・2053。開館時間9:30〜
17:00 [朝鮮新報 2003.8.1] |