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くらしの周辺−時間はプイップ、ピニッピン

 ふとやってくる休日、一体何すればいいのかしらと、孵化後の幼虫のごとくうねんうねん転がっているうちに日が暮れて、ビール片手に野球見て、「ねむたぁ。寝よ」って感じの休日が最近どうも多く思われて嫌。これでは人間が脳味噌から腐っていくので、折角の休日はやはり、文化的でエキゾチックでファンタスチックな時間を過ごしたい。

 しかし時間を創造的に活かす、というのはこれ非常に難しいことであって、例えば、見たくもない陳腐な映画に貴重な時間を、財産をみすみす献上するのはいやんいやん、それって時間を活かすんじゃなくって、単なる「時間潰し」やん、潰すほどの時間って、持ってないやん、ってうそぶいているうちに夜。貴重な時間を自ら粉微塵に爆破しているのである。

 翻ってかの有名な漫画家手塚治虫は、目も回る多忙な執筆活動の合間に、釣りやら登山やら数多の趣味活動を行っていたのだという。結局暇人ほど時間貧乏で、忙しい人ほど魔術の様に時間を創り出し、同じ「時間」の中でよりたくさんの時間を過ごしているのである。

 人皆同じ1日24時間でも、それは伸縮自在なのであって、そもそも時間とは客観的な、閉じたタイムリミットではなく、きっとひとそれぞれの、開かれた無限の可能性なのであろう。

 ならば私も自在に時間を創造するタイムアーティスト(仮称)にいざならん。って何したらいいのか途方にくれて、街外れのさびれたバッティングセンターで、一人ぬんぬんバットを振り回したのである。(文時弘、団体職員)

[朝鮮新報 2003.9.1]