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「南北コリアと日本のともだち展」平壌展開催−学校生活、家族の姿など96点展示

 8月下旬、平壌市の綾羅小学校と平安南道平城市の徳性小学校で「南北コリアと日本のともだち展」平壌展が開催され、それぞれの子供たちが描いた絵96点が校内の廊下などに展示された。平壌展に際して、同実行委員会代表の三木睦子さん(三木武夫元首相夫人)ほか実行委員のメンバーらと共に、4人の東京朝鮮初級学校6年生が訪問。両校の生徒たちと交流、写生大会などを行った。同イベントは、平和な北東アジアを作っていく未来のともだちにメッセージを送りあうことを目的に、2年前から東京、ソウルで、昨年から平壌でも開催されている。

日本、南の作品に興味

平壌市の徳性小学校で大歓迎を受けた一行

 展示会場となった両校では、夏休みにも関わらずたくさんの生徒たちが一行を出迎え、大歓迎してくれた。

 会場に並べられた作品は、どれも学校生活や家族の姿など、普段の生活を描いたものばかり。朝鮮の子供たちは、まだ見ぬ南や日本の子供たちの作品を興味深く眺めていた。また、祖国を訪れた在日の友達と手をつなぎながら、「あなたの絵はどれ?」「学校ではどんな遊びをするの?」などと子供同士、すぐに打ち溶け合っていた。

 今回平壌を訪ねた4人の児童のうち、東京第6初級学校の蔡玲姫、安里奈、辛繊麗さんは昨年に続く2度目の訪問。1年前にも訪れた綾羅小学校を再度訪ねた安里奈さんは「校門に入ったとたん、去年会い仲良くなったソルソンさんの姿を見つけ、飛んで行きたくなった。メガネをかけて、去年より少し大人っぽくなったようだった」と話していた。

統一を実体験として

 両校では、ささやかな交流会も開かれた。

 綾羅小学校では児童たちによる「プロ級」の公演が披露された。つづいて、一行が歌で答え、「また会いましょう」の曲の時には、自然に教室にいた児童たちが一緒に歌い出し、いつしか大合唱となった。その姿に、同行していた金聖蘭(東京第5)、成必麗(東京第6)先生らは思わず涙。大人は泣き、子供は歌うという場面が展開された。

 翌日、子供たちは牡丹峰に登り写生大会。2人1組になり、ポジションを決めスタート。はがき大のスケッチブックに松の木や楼閣などを存分に描いた。

子どもたちの夢

実行委員会代表の三木睦子さんと食事のひととき

牡丹峰での写生大会

 平壌展について金聖蘭先生は、「子供たちが祖国統一やアジアの平和を考える良い機会になったと思う。教育者として、母親として、そして、美術を教える者として、私にできる限りのことをしたいと思う」と語り、成必麗先生は「子供たちは統一祖国を担う実質的な担当者。彼女たちが交わり、ひとつになる道を開くのは大人たちの役目だ。統一を生活とかけ離れたものではなく、自然に、成長していく過程で、実体験として感じてほしい」と話した。

 また、実行委員会事務局の筒井由紀子さんは「今、日朝関係は非常に厳しい状態だが、平和を願う絵画展の開催を、朝鮮の学校関係者の方々が快く受け入れ、協力してくれたことがとてもうれしかった」と語った。

 一方、子供たちは、「私たちはしょっちゅうは会えないけれど、みんなが一緒に会ったとき、それぞれの気持ちがよくわかると思う」(安里奈)、「今は、南から北に行くのも、北から南に行くのも難しいし、日本から平壌に行くのも、東京から新潟、飛行機でウラジオストックにとすごく遠回り。もっと簡単に行けるようになったらいつでも会えるのに」(辛繊麗)、「どんなに小さなことでも、祖国がひとつになるため、日本と朝鮮が仲良くなるため、できることを一生懸命したいと思う」(蔡玲姫)などと話していた。

 また、今回はじめて訪問した韓悠和さん(東京第5)の「東京でも平壌でも、絵だけでなく実際友達と出会えたことがうれしかった。叔父さんとその家族にも初めて会えて、今度は家族と一緒に会えたら良いなと思った」という投書が「朝日新聞」(9月18日付)に掲載され反響を呼んだ。

 都内の各朝鮮学校では現在、空き缶を集めて、統一列車の線路添いに花を植える運動を展開しているという。

 「いつかは南から北に向かって、統一列車に乗ってみたい!」と話す少女たち。ともだち展は、11月26〜30日、ソウルでも開かれる予定だ。(まとめ=金潤順記者、写真提供=成必麗、金聖蘭先生)

[朝鮮新報 2003.9.30]