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高麗人参余話(18)−山に山蔘の種をまく

 高麗末期忠烈王3年(1227年)から元の度重なる要請で人蔘は乱獲され人蔘の自生地はだんだん少なくなってきた。朝鮮王朝に入り国は山蔘の産地に採取を禁じる封標を建てたが、効果はなかった。

 山蔘の乱獲で歴史的に火田民やシンマニたちは山蔘の種(天種)を誰にも分からないように山に植え栽培するようになった。このように山で育てられた人蔘を山養蔘と呼ぶが山養蔘の栽培は高麗末期から始まったと言われている。山養蔘は自然に育った山蔘よりも蘆頭(毎年茎の生えた痕跡で根の頭にある)が長いので長脳蔘とも呼ばれる。

 山養蔘の栽培は山林の中でなんら人為的な手を加えないことを原則とする。これらを林間栽培、林下栽培、森下栽培とも言うが、ウリナラでの山養蔘の栽培には @山蔘の種子を山中に撒く方法 A山蔘の幼根を山で採取し、便利な山林に植栽する方法 B栽培人蔘の種子を山林に植付ける方法 C栽培人蔘の幼根を山林に植栽する方法 D山林の人蔘畑に残った幼根や種から自然発生する方法などがある。

 シンマニたちは山養の場所を他人には絶対秘密とし、親兄弟子ども達にも話さなかったのでよく彼らが亡くなったとき、10年以上過ぎて第三者がみつけて山蔘と勘違いしたりすることがある。山蔘と山養蔘、栽培人蔘を薬効の面で比べてみると山蔘の薬効が断然高く、一方、山養蔘は栽培人蔘よりも優れている。

 人蔘はどれでも葉と茎と根の部分からなっている。山蔘と山養蔘は同じような条件の中で大きくなるため色や成長による枝や葉っぱの数の増え方が似ている。山蔘の根は栄養をたくさん吸収するためにニウン(ㄴ)の字の形をしているが山養蔘は真下に一直線に伸びた直蔘になる。根の太さも栽培人蔘よりは小さいが山蔘より太く判別しやすい。細根も山蔘よりは太くて短いが栽培人蔘よりは細くて長い。山養蔘は山蔘と栽培人蔘の中間くらいの形をしている。(洪南基、神奈川大学理学部非常勤講師)

[朝鮮新報 2003.10.24]