高麗人参余話(19)−商品価値高い「人の姿」 |
古来、人蔘は人の体に似たものほど尊重され、今日でも形のよいものほど商品価値が高いとされている。 山蔘の値段は長さ、見た目、太さ、年数などで違うが韓国漢方薬店の話では30年から50年もので300万ウォン、マッチ棒ほどの小さな2年もの1本が約9万ウォン、150年ものが1800万ウォンであったという。(AERA、1991.10.29号) 私の友人が数年前、中国延吉の漢方薬店で100年を越えるという山蔘を100万円で手にいれたという話を聞いた。大事に持ち帰り40度の焼酎2リットルに40日間つけてはまた、新しくつけて人蔘酒を2年間つくり続けた。大事にしながら自分で飲んだのだがあまりにも体にいいので知り合いに少しずつ分けたところ、ひどい肩こりが治ったとか体がかるくなったとか大変な評判になったという。 山蔘と栽培人蔘では形態上の違いがある。 山蔘が栽培人蔘の原種であることに間違いはないが栽培人蔘は長い間にその形が変化してきた。栽培人蔘も形の整ったものが最も商品価値が高い。美人が好まれるようなものだろうか。人蔘の価格は多年の経験による薬効のちがい、希少価値、伝統、慣習、し好性、あるいは商品としての規格など複雑な要素によって決められている。 人蔘はどれでも葉と茎と根の部分からなっている。 人蔘は根の形を生命とする作物であり、根の部分を薬用に利用するので根の形や大きさはとくに大事である。根の大きさと形は気候、土質、移植方法、肥料、土壌の水分含量などによりちがう。とくに、根の発育と形は年生により差がでる。 会津地方では四年生を過ぎると腐敗するものが多くなるので安全のため4年で収穫する事が多いが、一般的には六年生がよいとされている。人蔘の種を蒔いて6年目に採取する方法を考えたのはわれわれの先祖の高麗人である。六年生になると脳頭(蘆頭)と主根、支根が均一に発育してより薬効の大きい人の形に似たものができる。(洪南基、神奈川大学理学部非常勤講師) [朝鮮新報 2003.11.14] |