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ミュージカル「ミレ」を観た日本市民の声

 解放後、在日同胞が築き守ってきた民族教育の熱い歴史を振り返る「アイミュージカル・ミレ(未来)」が4、5の両日(3公演)、大阪市中央区の森之宮ピロティホールで日本語で上演され、多くの日本市民らも観覧した。その感想の一部を紹介する。

 「たまたまチャンスがあって観た。現在、家族で朝鮮語を含む多言語を学んでいる。『ミレ』の題名が朝鮮語なので、最初はそちらの興味から入ったが、ミュージカルの内容は日本人にとっては、とても重いものだった。コミカルな場面で会場が笑いの渦になっても『笑っていいのかしら』と遠慮がちになってしまう所もあった。でも私たちが知らない、学校で学んだ歴史とは違う歴史に触れ、学ぶべきものは、すぐ近くにあると感じた。舞台終幕の頃には近くの席の年配の女性たちが涙ぐんでいる姿がたくさん見えて、きっとハルモニと呼ばれる世代の方々で、ミレちゃんと自分たちを重ね合わせていらっしゃるんだなと感じた。

 偶然出会った公演だったが、得るものが多く、わが子にも教科書では学びきれないことをたくさん伝えていってやりたいと思い、こんなチャンスがあればまた、観せてもらいたいと思った。

 『ミレちゃん』、すごく可愛いかった。花束を受け取る時に思わず涙していたのが印象的だった。重三役の邵哲珍さん、おじいさん役がすごくハマッていた。ヨタヨタぶりが良かった。丸坊主のグレイの服を着た男の子金悠天くん。ダンスもノリノリで、歌も上手だし、途中、虫メガネのガラスが飛んでしまうアクシデントも乗り切ってコメディータッチのシーンも最高だった。ヨロブン、チョンマルカムサハムニダ」(鎌野有美子、東大阪市)

 「非常に心打たれた。

 『差別の心は自分しか消すことができない』という言葉が印象的だった。大阪府立高校に勤務しているが、心の教育が十分とは言えず、何気ない生徒たちの言葉に微妙な差別意識を感じつつも、正しく認識させる能力のなかった自分を恥ずかしく思った。今回、人権教育として生徒たちに見せることのできる演劇はないかと思い、見せてもらったのだが、予算や場所、日時など折り合いがつけば、本校生徒たちのために上演して頂くということは可能だろうか」(青木徳子、吹田東高校)

 「こんなすてきな舞台を共に創りあげることのできる仲間がいることをうらやましく思う。僕にはそんな仲間はいない。

 同じ地球に生きるチームメイトとしてみなさんのことを誇りに思う。みなさんの思いを受け止められるよう日本人として考え、行動できるようにがんばりたい。

 政治的意図に満ちた日本政府、メディアの悪意ある北朝鮮報道、腹立たしく思う。決して日本人すべてがそう思っている訳ではない。拉致問題に見られる政治的状況を利用して日本を戦争できる国にしようとする一部政治家の魂胆に決して屈してはならない。人と人とは必ずつながれると信じる。すべては信じ合うことからだ。チームメイトとしてともにがんばろう」(久保敬、吹田市)

[朝鮮新報 2003.12.15]