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高麗人参余話(23)−花と種

 人蔘の花はとても小さくてかれんな形をしている。開花の時期が短いので見逃すことが多い。栽培人蔘は一般的に3年生から花がつき始める。3年目に茎の中央から分かれ出て、その先に花のつく短い柄の部分・花梗が出てそこに花を咲かせ実をつける。

 人蔘の花は雌蘂と雄蘂の両方を備えた両全花で鐘の形をしており、5枚の花びらと5個の雄蘂それに、1個の雌蘂から構成されている。花梗は小葉の輪生部から繖形花序をつくり配列し、花梗の先につくのが普通である。

 人蔘の開花期は5月中旬頃で繖形花の外縁から開花して、漸次中心に及んでくる。全体花序の開花には6〜13日かかるが開花の最盛期は2〜3日で、1日の開花時間は午前10時から12時の間の2時間だけであり、曇ると1時間ほど遅れる。大体、花序の周辺にあるつぼみの花は比較的充実していて漿果の種子も大きいが、花序の中央部に行くほどつぼみは小さく開花時期も遅れ、漿果と種子の大きさも小さい。花梗の色、かたち、長さは茎とほぼ同じで太さが茎の2分の1から3分の1程度だ。

 人蔘は自花受粉を原則とする植物であるが、虫や風に媒介される自然交雑率は11〜27%だとされる。しかし、人蔘の花の受精力はとても良好で栽培において他花受精はほとんど行われず、自花受粉でも他花受粉でもそれぞれ80%以上の受精力を示す。受精した後にすぐ花びらが落ちて果実の発育が始まる。7月頃、人蔘畑にいくと成熟した真赤な実をつけている人蔘を見ることができる。この実の中には灰白色の種子が普通2個入っている。栽培蔘は山蔘に比べると種子がたくさんできる。4年生で採取した種子の大きさは、長さ5.6o、幅4.8o、厚さ3.0oくらいで100粒の重さは5.2グラム程度。3年生では約10個、4年生では20個内外、5年生で35個内外、そして6年生で50個内外の漿果が着生する。(洪南基、神奈川大学理学部非常勤講師)

[朝鮮新報 2003.12.19]