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「朝鮮人として堂々と」−結婚披露宴で決意新たに、洪昌守選手

 「今日、一家の大黒柱になりました。52.1キロしかないものすごく細い大黒柱ですが、僕のすべてをかけて仁淑を守ります」。最愛の人≠横にこう誓いを立てるチャンピオン。WBC世界スーパーフライ級チャンプの洪昌守選手(28)が9日、東京のホテルニューオータニで崔仁淑さん(28)と結婚披露宴を行った。洪選手の地元東京都大田区の同胞、現在の居住地大阪の同胞、ボクシング関係者ら約900人の参列者が2人の新たな門出を心から祝福した。

 「昌守チョッタ!(いいぞ!)」

 民族式の婚礼衣装を身に包んだ洪選手と崔さんがスポットライトを浴びて入場。2人の登場を待ちわびていた参列者の間からは、大きな歓声と拍手が沸き起こった。デジタルカメラやカメラつき携帯電話を手に2人のもとへ駆け寄る人たち。「昌守、仁淑、こっちこっち」。人々の声に2人も笑顔で応えていた。

 経歴紹介、洪選手による宣誓文の朗読、時計と指輪の記念品交換、主礼、来ひんあいさつと宴は滞りなく進行した。

 一問一答の質問コーナーでは、「3年半の婚約期間を経て今の気持ちは」、「どういう風にして知り合いましたか」などの質問が、次々浴びせられる。

 「強運の彼女を持ったからここまで来れた」

 冗談を交えながらの洪選手と崔さんの受け答えに、場内は終始笑いに包まれた。

 「日本タイトルマッチに2回敗れた時、1年間もブランクがあり本当にどん底だった。でも仁淑がいつも支えてくれたからここまで来れた」と照れながら語った。次回7度目の防衛戦については、「結婚して弱くなったと言われたくないから、絶対に勝ちます。なぜなら対戦相手の川島選手は独身。自分には今日、最強のパートナーがついたから」と自信たっぷりだった。

 崔さんも「これから2人でがんばっていきたい。盛大に同胞たちに祝っていただき本当に感謝しています」と笑顔が絶えない。

 「昌守とは東京第6初級から東京朝高まで、長いつき合いです」と話すのは朴益樹さん(28)。

 「昔から負けん気が強かった。昌守からは本当にたくさんの刺激をもらった。これから育つ後輩たちのために勝ち続けてほしい」

 舞台上でチャンゴのリズムに合わせて、在日朝鮮人らと踊りに興じていた日本プロボクシング協会・東日本協会会長の輪島功一さん。お酒も入ってほろ酔い気分になりながらも、祝いのスピーチには気合いが入る。

 仲間たちと話で盛り上がる洪選手に「こらー、チャンピオン話聞けー!」と一喝しながら、「2人の新たな門出を心から祝福したい。これからが本当の勝負。6回も防衛するとマンネリになってくるが、初心を忘れずにがんばってほしい」とほほ笑んだ。

 両親への花束贈呈の後、同級生たちに囲まれ、胴上げされながら会場をあとにした2人は、「朝鮮人として堂々と、これからの人生を2人でしっかり歩んでいきます」と決意を新たにしていた。(金明c記者)

[朝鮮新報 2003.3.22]