山で元気!−大菩薩嶺(山梨県、2057m) |
今年第9回目を迎える在日同胞大登山は、紅葉の10月26〜27日奥秩父の日本百名山大菩薩峠〜石和温泉〜西沢渓谷で行われる。6月末、その現地踏査が行われた。新宿を出発した車は、中央高速道勝沼ICを出て、日川渓谷に沿う新緑の嵯峨塩裂石林道を快適にドライブ。登山口の上日川峠に到着した。地元山梨県本部をはじめ愛知〜茨城各地の登山協会代表ら10数人が合流していよいよ登山開始。福ちゃん荘を経て、ゆるやかな山道を登り、1時間ほどで介山荘の建つ大菩薩峠にたどり着いた。明るく開けた草原は多くの登山者で賑わい、のびやかな稜線を行く人の列が続いていた。 大菩薩嶺へ向う幅広い屋根道はキンポウゲやレンゲツツジが彩る花畑。「塩山」を見下し、秋晴れの日には遠く南アルプスの山並みや富士山を望むすばらしいプロムナード。避難小屋の建つ賽の河原を経て、標高2000メートルの神部岩を過ぎるとすぐ下山同分岐の雷岩。多くの人が休んでいる。天然林の中にひっそりとした山頂の大菩薩嶺を往復して、唐松屋根を急降下、上日川峠へ下った。石和温泉ホテル新光に着いて、大宴会場等を下見し心地よい温泉入浴でくつろいだ。 2日目、笛吹川上流の西沢渓谷へ向った。ゲートを通り、せせらぎを聞きながら川沿いを行く。頭上には空を突く鶏冠山の険しく美しい岩峰が仰がれた。長い吊り橋を渡ると渓谷、遊歩道が整備されている。三重の滝〜魚止めの滝〜人面洞〜母胎淵…と連続する景観、標識に導かれ鎖やロープにつかまりながら進む。最後の七川釜5段の滝は西沢渓谷のハイライト。明るく蒼い水と花崗岩の白とのコントラスト、新緑に彩られた滝や渓谷の美しさは自然の芸術的造形美、山水美の極致。 帰路は沢を離れ対岸に渡り、トロッコ軌道跡の広いなだらかな道を、緑を楽しみながらゆっくり下った。錦繍の秋、200人超の同胞が集う紅葉探訪の大登山が待ち望まれる。 【コースとタイム】@大菩薩峠3時間、A西沢渓谷3時間 [朝鮮新報 2003.8.8] |