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6.15共同宣言発表3周年記念東京同胞山友会八ヶ岳登山パーティー

 6日朝7時半、特急スーパーあずさ3号が発車する新宿駅5番ホームには、大きなリュックサックを背負った人たちがおおぜい並んでいた。長野方面に向かう登山愛好家たちだ。学生や青年たちに混じって、平均年齢63歳のグループがいた。都内の同胞登山愛好家20人。2泊3日の予定で八ヶ岳に登るメンバーに同行取材した。

突然のペースダウン

平均63歳とは思えない余裕のポーズ

 同胞たちの乗った列車の中はとてもにぎやかだった。全員普段からの登山仲間で、このイベントを以前から楽しみにしてきたという。大好きなお酒も3日間絶って準備を万端にしてきたという同胞もいた。

 メンバーのほとんどが定期的に登山を楽しんでいるとあって格好も本格的。都内には、練馬の「トラジ登山会」、板橋の「健脚会」、中央・江東の「メアリ」、足立の「同胞登山クラブ」などがあり、おのおの日常的に活動している。

険しいコースを励ましあいながら頂上に向かう

 今回のイベントは、6.15北南共同宣言発表3周年を記念し、統一を祈願する趣旨で東京同胞山友会(山友会、「正煥会長、68)が主催した。都内の各同胞登山会の活動を統括する山友会は、会の活動をさらに高め同胞登山愛好家の要望に応える目的で、今年2月に結成された。

 発車から2時間後、目的地の茅野駅に到着。バスで美濃戸口まで行き、いよいよ登山の開始だ。

 しかし、初日に宿泊する赤岳鉱泉小屋に向かう途中、早くも息切れし、ペースダウンした同胞がいた。メンバーの中には自営業者が多く、前日の夜遅くまで働いていたからだと、「会長が説明してくれた。

 最後尾のメンバーが無事到着した瞬間、みな拍手で迎えた。

兵庫から飛び入り

「乾杯!」。山小屋での生ビールは格別

 2日目はいよいよ八ヶ岳主峰の赤岳(標高2899メートル)を目指す。約4時間かけて登るこのコースは傾斜がきつく、最後の約30分は岩を這い上がっていく、ハードなコースとなっている。

 一番で到着したのは、足立区在住の金景子さん(59)だった。途中あまりにもきつくて何回もあきらめかけたという。「みんなのおかげ。メンバーに励まされ、また途中でザックを背負ってもらい、最後まで登ることができた。涙が出てくる」と感激していた。

 赤岳に続き、標高2805メートルの阿弥陀岳頂上に到達した足立区在住の玄京子さん(56)は、携帯電話で夫に電話をかけた。「あまりにもうれしかったので。主人もいっしょに喜んでくれました」。

 今回は岩場が多い登山のため、山友会では事前にフリークライミングなどの訓練を行った。同会の張紀雄幹事長(59)は、「その成果があって、みんな無事登れた」と振り返る。「つらい思いを共有し、共にそれを乗り越えるからこそメンバーの絆が強くなる。今はみんな家族みたい」。

中岳をバックに記念撮影

 メンバーの中でたばこを吸う人はいなかった。登山を始めるきっかけは、健康のためという人が多いからという。

 囲碁は6段だが、登山は初段と話す板橋区在住の李福権さん(74)だが、メンバーは健脚だと感心していた。「登山は健康にもいいし、一度道具をそろえれば、金もかからない」。

 墨田区在住の崔昭子さん(61)も、10年前に登山を始め、もうやめられないという。「登るたびにもうこりごりと思うが、1〜2週間が経つと、爽快感が忘れられずまた登ってしまう。歳も忘れ、若返った気分になる」。

 今回が2度目という李英銖さん(51)は、「また参加したい。東京に戻ったら早速登山道具を揃えようと思う」と話していた。

 今回の登山会には、兵庫登山協会会長の崔種楽さん(71)が飛び入り参加した。「兵庫では登山といってもハイキング程度。山友会のメンバーは体力がある」と感心しながら、「西でも東でも、もっともっと山に登り、同胞同士団結していこう」と呼びかけた。

 山友会では、来年8月4日から6日にかけて穂高登山会を予定している。「来年も健康な体で参加してください」と「会長は話していた。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2003.8.13]