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〈03’世界柔道〉 在日同胞として初出場の金泰義選手

在日同胞として初出場の金泰義選手(左)

 「目標は初戦突破でしたが、正直力不足でした」

 世界の強豪が集った今大会に、朝鮮代表としてひのき舞台に上がった金泰義選手(81キロ級、近畿大学4年)は在日同胞3世だ。結果は1回戦でアルメニアのハルトゥンに一本負けだったが、前へ前へと出る攻めの姿勢は、今後彼の柔道人生につながる貴重な財産となった。

 在日同胞選手としては初めての世界選手権出場。

 広島県で小、中、高と日本学校に通った金は、中学時代から柔道を始めた。近畿大学柔道部に所属し、センスと実力に磨きをかけてきた。

 02年1月に行われた日本国際柔道大会に朝鮮代表として国際大会初出場。同年7月には、平壌国際招待大会に出場するため初めて祖国を訪問、3位入賞を果たした。今年1月に行われた嘉納治五郎杯国際柔道大会にも同代表として出場。7月には平壌での代表合宿にも参加した。

 「朝鮮の代表選手たちの実力は相当なものだ。とくに軽量級の実力は世界レベルと言っていい」

 「世界選手権に出られたことを誇りに思う。朝鮮と在日の柔道関係者の方々に感謝の気持ちで一杯です。次は必ず実力で代表の座を射止めます」と意気込みを語った。

 一方スタンドでは、東大阪中級、中大阪初中級の生徒らとともに、近畿大学柔道部員らが応援横断幕を掲げ金に熱い声援を送った。

 永井誠主将は、「彼のがんばりが伝わってきた。厳しい攻めもあった。相手をみてしまったのが残念」と語った。

 在日本朝鮮人柔道協会の玄昌貴会長は、「彼にとっては大きな転機となっただろう。これからはどの体勢でも技をかけられる欧州スタイルを身につけることが課題だ」と語った。

[朝鮮新報 2003.9.18]