全国大会同時出場期待される大阪朝高サッカー部、ラグビー部 |
年末年始にかけて行われる全国高校サッカー、ラグビー選手権の都道府県予選が各地で始まる。今年の新人戦で優勝、春の総体で善戦するなど選手権予選で期待がかかる大阪朝高のサッカー部金正海、ラグビー部金信男の両監督に抱負などを聞いた。(聞き手=千貴裕記者) チーム戦術軸に春の雪辱果たす
今年は、府の新人戦、総体(インターハイ予選)、秋季大会(選手権予選)での優勝を目標に掲げた。新人戦では優勝したが、総体はベスト8止まりだった。春の大会を振り返るといろいろ分析できるが、選手たちの意識と自立性が低かった。チームワークもよくなかった。総じて大阪朝高としてのサッカーができなかった。 今年は初めて、日本ユース選手権大会地区予選の関西プリンスリーグに出場し、いい経験を積むことができた。リーグ戦だっただけに毎回、関西の強豪チームと対戦した。その過程で選手たちが緊張感をもって試合に臨めたことは精神的にプラスになったと思う。毎年、総体予選が終わると選手権予選まで日程があくが、プリンスリーグに参加することによって7〜8月まで緊張感を持続させることができた。われわれコーチ陣も学ぶ点が多かった。 8月にはプリンスリーグの決勝トーナメントがあったので夏に特別な強化合宿を組むことはしなかったが、大阪に残り選手個々人の精神面での強化を計った。両サイドハーフも修正した。チームとしての完成度は現時点で70%くらいだが、10月下旬の初戦までには間に合わせたい。あとは選手層を厚くすることだ。選手権予選自体が長丁場なので、レギュラー陣、リザーブすべての選手が同レベルで試合をこなせるようにする。常に個人ではなくチーム戦術を優先させることを強調していきたい。「攻撃的なサッカー」というチームスタイルに変わりはないが、今年はディフェンスを強化した。オフェンスとのバランスがとれたディフェンスをやっていきたい。 春に比べ、3年生たちに落ち着きがでてきた。残念なことは1年生の中で飛びぬけた選手がいないこと。 大会のカギは、ディフェンシブなサッカーをしてくる相手陣営をどう崩し得点に結びつけるかだろう。個性と創造性が求められる。常に試合の流れと空気を読み取れるよう選手個々人が「ピッチ上で感じる」ことを心がけている。あとは選手たちの精神力が結果を出してくれると信じている。試合のキーマンは3年生たちだが、試合の流れが悪くなった時に2年生が力を発揮するだろう。主将の朴世訓を中心にピッチに立つ全員がリーダーという強い気持ちを持ってたたかっていきたい。 決勝まで全部で5試合ある。過密日程の中ですべてベストの試合をすることはできないが、ポイントは、いかに悪い試合をどう乗り越えるかだろう。 勝負は9月末から。後悔をしない完全燃焼の試合をすること。きっちり仕上げ、春の雪辱を果たしたい。(サッカー部金正海監督) 今年こそ悲願達成を
昨年11月の選手権府大会決勝に敗れた翌日から、24人の部員で新チームを結成した。そのメンバーで今年の新人戦に優勝、大阪総体(春季)大会でも準優勝した。春季大会は僅差で敗れたが、もともとチャレンジャーのチームであるわれわれが、優勝しなければならないという使命感から守りの試合をしてしまった。春シーズンは、一定の技術とモチベーションを持ってたたかってはきたが、それ以上の発展をもたらすことができなかった。 秋の本番に向け、チームのテーマを「自信・誠意・勝利」と定めた。自信を持ってプレーし、ラグビー部父母会、同胞らの期待に応え、勝利し全国大会に出場することだ。 夏は菅平で1、2次の合宿を行ったが、主にディフェンスの強化に力を注いだ。試合数を減らし、試合での選手たちの集中力を高めた。また個々人の精神力と体力の増強を図るための練習に取り組んできた。選手たちにはとりわけ意識、意欲、自信を持つことを常に強調してきた。 夏の合宿、秋の九州遠征を経て、チームは順調に出来上がってきている。この何年間はフォワード中心のチームだったが、今年のチームはフォワード・バックス一体型のチーム。どの展開からでも点数をとれるチームにつくりあげた。日本代表でオーストラリア遠征にも参加した主将の趙顕徳を中心に3年生11人と1、2年生のコミュニケーションが良くとれている。とくに、ラグビーに対する姿勢と人格的な面で主将が成長したのは大きなプラス。 全国大会出場に向けた勝負は10月と見ている。最近のラグビーは後半の逆転勝ちも多いので、最後まで体力と集中力を切らさないチームに仕上げていく。あとは登録メンバー25人の選手層を厚くすることだ。大阪大会の準決勝、決勝となると集中力を切らしたチームが負ける。自分たちのラクビーをいかにできるかが勝負のポイントとなるだろう。 まず、28日の2回戦を全力で勝つ。フォワードを全面にだしながらスタンドオフ、フルバックのゲームプランが明確になる試合をしていく。 今年は悲願の全国大会出場を果たすチャンスと思っている。そのためにはこの激戦区で目の前の敵を倒すこと、そして選手個々人が己に勝つことだ。「ライバルは敵にあらず、自分自身にあること」を肝に命じて挑みたい。 昨年決勝を経験したメンバーが5人いる。経験のみならず絶えず努力を重ねてきた。 私自身経験も積み、3回目となった昨年の決勝の時には手ごたえをつかむことができた。決勝までにチームをピークに持っていき、100%の自信と信念を持って決勝を迎えたい。(ラグビー部金信男監督) [朝鮮新報 2003.9.25] |