今号から月1回、「在日本朝鮮人バスケットボール協会のページ」を掲載します。第1回目の今回は、8〜9月にかけて行なわれた全国選手権、学生中央体育大会の総評。東京都バスケットボール協会の申桃順理事長にお願いした。 プレーのスピードアップ課題に ◆初級部
8月初旬に事実上の全国大会「第1回ヘバラギカップ」が初めて開催され、関東地方、名古屋、京都から280人の選手が参加した。大会運営、審判、試合全般を通じて、関東地方スタッフの努力を感じる事ができた。
フリースロー大会、決勝前の選手パフォーマンスなど、イベントも盛りだくさんだった。声援をおくる父母の数も例年以上に増え、会場内は夏のうだるような暑さと熱狂とではじけそうだった。
東京朝鮮文化会館で行われた各部決勝、3位決定戦(男子2部制、女子3部制)は全試合、手に汗握る接戦が繰り広げられた。
教員、関係者の審判技術の向上、選手たちのプレーのスピードアップが今後の課題だ。 サイドステップの強化、シュート力アップ ◆中級部
9月初めの中央大会。男子部門のベスト4に進出してきたのは、東京、東京第1、東大阪、北九州。
女子部門は東京、東京第4、埼玉、神戸。
準決勝からは、各校のレベルが拮抗し、接戦が続いた。
例年だと圧倒的実力のチームが勝利したが、今年はまったく予測がつかなかった。
男子は北九州、女子は初優勝の神戸をはじめ、試合に挑む集中力、精神力の高さを感じた。
今後の課題は、まずは教員の指導力アップ。選手たちは、サイドステップの強化、シュート力の向上だ。今大会では、不必要なファウル、シュートミスが目立った。都道府県大会、全国大会出場のためには、年間を通じた、細かい指導が必要だ。 インターハイに出場できる実力を ◆高級部
今大会の注目点は、九州朝高男子の高さ、女子は東京の王座奪還なるかだった。
男子決勝は京都対九州。高さの九州に対し、京都がどう挑むかが注目された。
女子は、東京がスピードあふれるプレーと、チームワークで他校を寄せ付けず、リベンジを果たした。
高校生ならではのプレーも数多かったが、インターハイ出場のために、やるべきことは山積みしている。 初、中、高の大会を通じて、激減する朝鮮学校生徒数に比べ、選手数が一定していること、素質を持つプレーヤーが増えたことを感じた。 大会運営においては、初級部スタッフの地道な努力に対して成果を、一スタッフとして共感できた。 審判のジャッジレベルも底上げが実現した。 今大会の教員、籠球団、一般の審判員たちは、選手らが勝敗だけにこだわらず、全力を出しきれるよう、またいい試合だったと思えるような笛を吹くよう心がけたつもりだと思う。 バスケットボールの試合は、審判のジャッジで流れが変わる場合が多い。「裁く」のではなく、「教える」という立場で、審判を行なうべきである。 いつの時代も、どこのチームも、選手は皆、必死に汗を流し、試合に挑んでいる。 大会スタッフも、選手の熱意に負けず運営に全力を尽くす義務があると思う。 「苦しさの中で楽しさを覚え、強い精神力と高い技術を習得させる」。これが指導の基本だろう。(談) [朝鮮新報
2003.10.2]
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