女子サッカーW杯出場の朝鮮チームを在米同胞が熱烈に歓迎 |
9月20日に米国で開幕した2003ワールドカップ(W杯)女子サッカー大会に出場した朝鮮チームは、予選リーグ1勝2敗の成績で残念ながら決勝トーナメントに駒を進めることはできなかった。しかし、在米同胞たちは南朝鮮のチームに対するのと同じように朝鮮のチームにも民族愛、同胞愛溢れる温かい声援を送った。朝鮮の試合会場には多くの在米同胞たちが駆けつけ、統一旗を振り、「Corea is one」と書かれたタオルを頭に巻くなどして、熱いエールを送った。米国の地に「朝鮮はひとつだ」がこだました。 パク・チャンイク団長率いる朝鮮チームは、米国滞在中在米同胞たちの熱烈な歓迎を受けた。 9月14日には、選手団が滞在しているフィラデルフィアで在米同胞全国連合会(会長=ハム・ソングック牧師)主催の歓迎式、アリラン芸術人協会(リ・ジュンム会長)の芸術公演が行われた。式典では朝鮮チームの滞米に協力したスチュアート・グリーンリープ・ペンシルバニア州上院議員、ニュージャージー州の米国人ボランティア、移動バスの運転手らが紹介され、パク団長が謝意を述べた。会場では、民族衣装をまとったアリラン協会の芸術人による歌や踊りが披露された。選手たちもチョゴリに着替え歌を歌うなど民族の絆を確かめ合った。 同胞らは選手団の滞在中、キムチなどの朝鮮料理、医薬品などを差し入れし、選手らが試合で本領を発揮できるよう気を配った。 一方スタンドでは、「03女子ワールドカップ南北サッカーニューヨーク同胞応援団」が客席を埋め統一旗を振りながら声援を送った。
スポーツ界で統一旗を振っての応援がはじまったのは、90年の北京アジア大会から。91年に千葉で開かれた世界卓球選手権では初めて北南統一チームが実現、女子団体で見事優勝した。以降、紆余曲折もあったが、00年の6.15北南共同宣言の発表を契機に、雰囲気も一気にヒートアップ。00年シドニー五輪、02年釜山アジア大会、03年冬季アジア大会(青森)と大邱ユニバーシアードでは開閉会式で北南共同行進が実現した。 今回、在米同胞たちが統一旗を携え朝鮮の選手に声援を送ったのも、まさに統一を望む海外の全ての同胞の気持ちの表れだ。 ナイジェリア戦を観戦したある同胞女性は、「相手選手に比べて背も低い選手たちが縦横無尽にグラウンドを駆け回り、アフリカナンバー1のナイジェリアをくだした姿はとても頼もしくてりりしかった。彼女たちはわれわれ同胞の誇りです」と感激を露にした。 今回、ニューヨーク同胞応援団は、「昨年のW杯の再現を」と縦横30メートルの大型統一旗を作り、「祖国統一」を連呼しながら応援した。そして、朝鮮が勝利した瞬間には「われらの願い」を全員で熱唱した。 在米同胞たちの熱狂ぶりは、選手団が帰国の途につくまで冷めなかった。 30日にはオハイオ州で送迎式があり、多くの同胞らが選手たちの労をねぎらった。 あいさつをした朝鮮チームのキム・ペファ氏は、「競技場で1、2世の在米同胞たちが温かい声援を送ってくれた姿を見て、6.15宣言で謳われた『わが民族同士』の精神が米国でもしっかり伝わっていることに喜びを禁じえなかった。声援に結果で応えられず残念だ」と述べた。 滞在期間、選手たちは物心両面で支えてくれた在米同胞全員に感謝の気持ちを伝えられず帰国の途につくことに対する複雑な心境を語りながら別れを惜しんだ。そして、来年の五輪で今回の借りを返す決意を新たにしていた。(取材協力=民族通信、03女子ワールドカップ南北サッカーニューヨーク同胞応援団) [朝鮮新報 2003.10.10] |