山で元気!−星生山(大分県、1762m) |
今回は秋の紅葉を楽しむため星生山を目指す。 早朝、多久市内の朝日登山クラブのメンバーをマイクロバスでひろい高速インターを7時15分に出発。次の大和インターで最後の仲間を乗せていざ目的地へ…と、はやる心が空回りしてしまったのだろう。何を思ったのか私は反対方向の長崎方面に向かってしまっていた。すぐ気づいたが高速道路はそう簡単にはUターンはできない。再び出発地点となった多久インターから大分県に向かうこととなった。 途中、様々なアクシデントにあったが、ようやく山なみハイウェイをぬけた。堂々とそびえる三俣山に秋風に吹かれるススキが果てしなく広がる。 山はもう冬支度をしているように見えた。春満開だと思っていたら、夏が過ぎ秋を迎えた。本当に1年たつのは早いものだ。季節は巡り、また返ってくるけど過ぎ去った青春は再び帰ってこない。 「青春とは過ぎ去ってから初めて人生の祭典であり、最も輝かしい時期であったことを知る」(森村誠一) バスが牧の峠の登山口に着くと、仲間はみんな星生山に向かって歩き出した。私の体は汗が流れるまでは息がつまりそうで、心臓が止まるのではないかと思うくらい苦しかった。40分くらいで沓掛山に着いて昼飯をとる。 その時すでに時計の針は1時を回っていた。久住別れの素晴らしい景色とパッチワークのように広がる真っ赤な紅葉に一同わあっと声をあげ、きれいだなと感嘆した。星生山はもう目の前だ。仲間は最後の力を振り絞って熊笹の中を歩き出し、参加者19人(同胞5人、日本人14人)全員頂上に立った。煙立ち込める硫黄山が我々の登頂を祝ってくれるように神秘的な優しさをかもしだしていた。 本日も青い空、白い雲、澄み切った空気は山の仲間たちに明日への活力と青春を与えてくれた。(佐賀県多久市在住、沈成達) [朝鮮新報 2003.10.30] |