〈第82回全国高校サッカー選手権京都地区決勝〉 京都朝高、初の決勝進出で快挙 |
京都朝高は初の決勝戦進出。ノーシードながら、洛北、久御山、城陽などの強豪8校を次々に撃破してきた。個々の身体能力の高さを生かしたロングボール主体の攻めと、後半も落ちることのない豊富な運動量が持ち味だ。 一方、桂は15年ぶり2度目の決勝進出。ここまで6試合を1失点で切り抜けてきた堅守が光る。最終ラインはカバーリングの巧みな国体府選抜メンバーとヘディングの強い選手が中央を固める。 キックオフの12時5分、朝高側応援スタンドは、選手のユニフォームと同じ色の赤い帽子、タオル、メガホンを持った約2000人の同胞、学父母、サッカー部OB、同校生徒らで埋め尽くされた。 前半15分頃から、朝高はDFラインからFWをターゲットとしたロングフォワードパスを使い始めた。桂のDFを下げさせ、そこからセカンドボールを拾い攻撃を仕掛け、ゴール前の場面を多くつくる。同21分、李普鉉選手(3年)のシュートで先制点を上げる。しかし、後半立ち上がり早々、主導権をにぎった桂が同2分、同点ゴールを入れ、試合は延長戦にもつれ込んだ。
延長戦(10分ハーフ)は、両チームが持ち味を全力で出し切る好プレーの連続となった。決着をつけたのは、リスタートから一瞬のチャンスを逃さなかった金日宇選手(1年)の見事なダイビングヘッド。試合終了約1分前のことだ。ボールはゴールにゆっくりと吸い込まれ、直後に試合終了のホイッスルがピッチに鳴り響いた。 瞬間、グラウンドで抱き合う選手たち。朝高側スタンドからは、「朝高 マンセー(万歳)! マンセー(万歳)!」と熱いエールが送られた。 桂高校の平井幹弘監督は、「強かった。技術も高く、闘志もあり、力が及ばなかった」と敗戦の弁。 ドラマのような劇的な幕切れに、金栄周監督は「関係者、同胞らに感謝の意を伝えたい」と話した。金宏鎮主将は「全国大会でまず1勝したい」と抱負を語っていた。 なお、17日に行われた抽選会の結果、京都朝高は来年1月2日、埼玉代表の武南高校と対戦することが決まった。(文=羅基哲、写真=姜鐘錫記者) [朝鮮新報 2003.11.18] |