〈がんばれ朝高!〉 全国選手権出場の京都朝高サッカー部(上) |
走り勝つサッカー 京都朝高サッカー部は、ノーシードで全9戦を戦い抜き、全国へのキップを手にした。勢いづいたのは1次トーナメント4回戦で、全国高校総体、近畿大会の常連校である洛北高校を1−0で下してからだ。 2次リーグでは大谷高校(3−1)、久御山高校(2−1)などの強豪を下した。準決勝は新人戦を制した城陽高校を1−0で、決勝ではインターハイ予選4強の桂高校を延長戦のすえ、2−1で破った。 決勝戦で朝高は、桂高校に振り回され猛攻撃を食らった。「今日はこちらから仕掛けていきたい」(桂高校の平井監督)というように、朝高のスキを突く「研究」を重ねていたようだ。朝高が勝てたのは、持ち前の「走り勝つサッカー」を最後まで貫き、チャンスを逃さず物にしたからだ。 悔しさをバネに 「落ちない体力」と「チームワーク」。この2つが優勝の要因だと金栄周監督(34)は強調する。 昨年秋の新チーム結成後、体力トレーニングに多くの時間を費やした。1カ月以上、ボールに触れさせず、学校前の坂登り、グラウンドでのインターバルで体力、忍耐力をつけた。 毎年のメニュー。だが、新チームの7割が前チームの主力メンバーだったため、「経験」を理由に、「いまさら」と思う選手も少なからずいた。実際、「1回くらいサボった」という選手もいたが、終日、選手たちは練習に励んだ。中級部時代から足掛け5年間指導している権忠義コーチの鋭く厳しい目が光っていたのも事実だ。指導に情熱を注ぐのは、「部員たちに悔いの残らない試合をさせたい」ためだ。 しかし、インターハイ予選は初戦で敗退。ひと区切りついたことによって、3年生は、大学受験準備などのために退部する生徒が出てきてもおかしくなかったが、14人全員が残った。チーム一丸となって次の全国大会(選手権)という目標に向けて、「結果」を残したかったからだ。足を負傷し、試合には出られなくなったが、補欠でもチームの一員として最後まで戦う決心をした選手もいる。 敗退の悔しさは選手にとってバネになった。3年生を中心に部員28人の連帯感はいっそう強まった。チームが「牙」をむき出したのは夏の遠征を終えてからだ。 「強い日本のチームに胸を借り、自分たちに足りないものを探し出し補い、自らの役割を果たすようになった」と監督は分析する。 学生サッカーの場合、選手に技術があると、個人プレーに走りがちだが、自分の役割を探すようになった選手たちは、状況を冷静に判断し、チームプレーを展開していった。 こうしたチームを作り上げ、本番を通じてその意義をかみ締めていったからこそ、全国大会へのキップを手にすることができたといえる。とくに決勝戦は、それまで培った「落ちない体力」と「チームワーク」、つまり潜在能力をフルに発揮した試合となった。 走りこみの意味も「勝ち抜いてみて、やっとわかった」(バックスを務めた郭明成選手、3年)。 シンプルで闘志あふれる粘り強いサッカーをよりいっそう強化するため、選手権に向けて選手たちは今日もグラウンドを駆け回っている。(本紙取材班) 全国高校選手権大会出場の快挙を成し遂げた京都朝高サッカー部と大阪朝高ラグビー部。栄冠を手にするまでの道のりをそれぞれ3回ずつ今号から紹介する。 また、両部への祝賀および協力金はそれぞれ、「口座番号 京滋信用組合 本店営業部 (普)1123218 口座名 京都朝高サッカー部 金栄周(キム ヨンジュ)」「口座番号 ミレ信用組合 東大阪支店 (普)1115439 口座名 大阪朝高ラグビー部全国大会出場応援実行委員会 ゙在勲(チョウジェフン)」。 [朝鮮新報 2003.11.27] |