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2003愛知Korea高校サッカー親善試合行う

 「2003愛知Korea高校サッカー親善試合」(主催=同実行委員会)が11月21〜23日にかけて豊田スタジアムなどで行われ、愛知朝鮮中高級学校、ソウルの慶熙高等学校、中京大学付属中京高等学校の3校が親善試合を行った。メインの23日には2500余人の在日同胞と南朝鮮の市民、日本人らが集まり、愛知中高と慶熙高等学校の試合を観覧したほか、愛知中高卒業生で名古屋グランパスエイトに所属する鄭容臺選手を含む4人のJリーガーも訪れ、県下の朝鮮初中級学校の生徒を対象にサッカー教室を開いた。

「近い将来、統一チームで」

熱戦が繰り広げられた愛知中高と慶熙高等学校の試合

 23日、快晴。さわやかな秋晴れのもと一斉にグラウンドに駆け込む朝鮮学校の生徒たち。

 名古屋グランパスエイトJリーガーの4選手が開くサッカー教室とあって、子供たちも心なしか興奮した様子だ。

 生徒たちはひとつでも聞き逃すまいと耳を傾け、選手たちの動きを必死に目で追っていた。

 「次の動作にしっかりつながるよう、ボールをトラップした足とは逆の足でしっかりパスを送るように」と元日本代表の藤本主税選手が実践してみせた。

 軽い練習のあとはミニゲームで汗を流した。生徒と選手たちのサッカーを楽しむ姿に学父母たちも満足した様子で、記念撮影を終えたあとはしきりに「サインもらいなさい」と自分の子どもに促していた。選手たちは快くサインに応じ、会場は和気あいあいとした雰囲気に包まれた。

 21日に行われた愛知中高と慶熙高等学校の試合では、愛知中高が1−4で完敗。23日、口論義運動公園で行われた両校の試合では、駆けつけた多くの同胞たちの期待に応えようと試合に臨み熱戦が繰り広げられた。結果、0−0の引き分けに終わったが、白熱した試合に観客から大きな拍手が送られた。

 愛知中高サッカー部主将の文晟新選手(3年)と慶熙高等学校サッカー部主将のピョン・ユンチョル選手(2年)は、「同じ民族同士で試合ができることがとてもうれしい。近い将来、統一チームとして試合したい」と口をそろえた。

日朝状況打開の機会に

 2000年の6.15北南共同宣言発表後、日本各地の総聯と民団で盛んに行われてきた北南交流行事。その流れに沿って愛知県下の同胞たちはサッカーを通じて「子供たちに夢と希望を与えよう」をコンセプトに今回、慶熙高等学校を招いた。

 行事をやってみようと話が持ち上がったのは3年前。

 李学秀同実行委委員長(同校同窓会会長)は、「子供たちのサッカー技術の向上とともに、在日同胞、南の市民、日本人らとの交流を深めようというのが目的だった」と話す。

 11人で結成された実行委員会が5月から一丸となって企画に取り組んできた。

 秋月鳳委員と李根実相談役も「県では初めてとなった今回の事業。これから交流を活発にするいい契機になった」と語った。

 (株)グランパスエイトチーム運営本部テクニカルディレクターの上田滋夢さんは、「『ワンコリア』とコンセプトがはっきりしているこのような催しに参加することはとても意味がある。うちの選手たちは、自分たちから『参加したい』と言ってきた。体制や民族が違ってもサッカーを通して日朝の状況を解決する機会を見出していきたい。なによりも子供たちの笑顔が一番ですから」とほほえむ。

 名古屋グランパスエイトの鄭容臺選手は、「このような交流試合が増えると選手たちにはとてもいい刺激になる。後輩たちには夢と希望を持ってサッカーを続けてほしい」と語っていた。(c)

[朝鮮新報 2003.12.2]