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〈投稿〉 朝高生の晴れ舞台

 スポーツは本来、勝敗を競いながら楽しむものだが、時にはそうした次元をはるかに超えて、人々を大きく感動させ、心を奮い立たせることがある。

 大阪朝高ラグビー部と京都朝高サッカー部がそれぞれ府代表として全国高校選手権大会への出場資格を勝ち取ったことは、まさにそうした出来事である。

 大阪朝高ラグビー部は苦節10年目にして激戦区を制しての初出場、生徒数わずか百数十名ながら京都朝高サッカー部は府下77高校の頂点に立ち、全国大会への切符を手にした。

 千葉の世界卓球選手権大会に出場した北と南の統一チームが強豪中国にうち勝った時のことは記憶に鮮やかに残っている。この時、私たち同胞が涙を流し感動したのは、われわれは同じ民族なのだという一体感、和解と統一への熱い思いであった。

 先般、ケ・スンヒ選手が世界の強豪を退け3階級制覇の偉業をなしとげ最優秀選手に選ばれた時、私たちは苦難の道を歩んでいる祖国を思い、決して屈しない民族の気迫をそこに見た。

 もちろん世界の舞台と地方の競技は違う。しかし、声援を送っていた数千の同胞がドラマのような勝利に抱き合って涙し、「マンセー(万歳)!」の声がスタンドに響いたのは、ただ競技に勝ったからではなく、人々の心を大きく揺さぶる共通のものがあったからだ。

 昨今の在日同胞に対する迫害と弾圧は異常としか言いようがない。朝鮮人としての誇りを傷つけるコリアンバッシングが執拗に続いている。

 競技前の下馬評では、経験やレベルでは相手が上だということであった。生徒たちはこうしたハンディや逆境をもろともせず、決勝戦で朝鮮学生としての気概と技量をいかんなく発揮した。

 また、北海道朝高の女子選手がウエイトリフティングの全国大会で優勝、大阪朝高のボクシング選手は選抜大会と、インターハイの2冠を達成するなど、わが朝鮮学校の選手たちの活躍は目を見張るものがある。

 複雑な環境のなかで世代交代が進んでいる。1世、2世が守ってきた民族の誇りと自覚を若い世代が受け継いでいくことを切に願う私たちは、このような快挙のなかにわれらが青少年たちが健全に、たくましく育っていく姿をみた。

 同胞たちを大いに感動させ、希望と力を与えてくれたのは、まさにこの喜びだったのではないだろうか。(琴栄進、在日本朝鮮人体育連合会理事長)

[朝鮮新報 2003.12.4]