〈第32回在日本朝鮮人バレーボール選手権大会〉 大阪が接線制しアベック優勝 |
第32回在日本朝鮮人バレーボール選手権大会が11月29、30の2日間にわたって東京都立川市泉市民体育館で行われ、各地から全10チーム(男子4チーム、女子6チーム)、200人あまりの選手、関係者が参加した。 大会初日の29日、総当り形式で行われた男子予選第1試合は波乱の幕開けとなった。朝鮮大学校が昨年の優勝チームの総聯大阪をくだしたのだ。 だが勢いに乗れず総聯東京に敗れ1勝1敗。その東京も総聯兵庫に敗れ、兵庫が大阪に敗れたため各チームが1勝1敗の四つ巴となった。 一方、2組各3チームで行われた女子予選では、昨年1位の総聯兵庫、2位の総聯大阪が2勝で予選を抜けた。 大学リーグの3部昇格を果たし今大会最注目チームの朝鮮大学校は予選を1勝1敗の2位で通過した。 2日目の30日、勝てば決勝という試合。男女ともに東京、朝大がペースを作れず敗退し、決勝戦には男女とも去年と同じ顔ぶれの兵庫、大阪が進出した。 なお、今大会ではバレーボールによる日朝親善を深める初の試みとして、初日に朝中選抜対立川3中、2日目に神奈川中北・西東京合同オモニバレーボールチーム対立川ママさんバレーボールチーム、プラスワンのエキジビションマッチも行われた。 立川市で優勝したプラスワンの監督、河村勝久さんは「相手の『ママさん』たちはちゃんと打ってくるし、拾うし、実力がある。びっくりした」と感想を語った。大会関係者との交流も深い河村さんは、朝鮮大学校体育館にカーテン、ボールを寄付するなど在日コリアン社会ともつながりが深い。 「大会は盛んで活発な印象。チャンスさえあればこれからもどんどん参加していきたい」と付け加えた。 決勝は男女とも同レベルの接戦だった。「どちらかペースをつかんだほうの勝ち」と東京バレーボール団の金泰成さん。 「ここ一番の長いラリーは大阪が取っている。これは大きい。バレーボールはミスをしないチームが勝つんです」 その言葉通り序盤は兵庫が優勢だったものの、いつの間にか大阪が逆転する試合展開となった。大阪女子は1セット目を取られたもののラリーを制し続く2セットを連取、男子は1セット目を取られた兵庫が2セット目ではジュースまで持ち込むものの力及ばず敗北し、大阪がアベック優勝を果たした。男子は3年連続、女子は6年ぶりの優勝。 大阪女子の金智明主将は、「今年こそはと練習に励んできた甲斐があった。後半、いいリズムを作れた」と喜びを語った。 3位は男子が東京、女子は朝鮮大学校。 金世正大会役員長は「フルセットの多い白熱した大会だった。競技人口、競技水準向上のため各地域で中高級部の生徒たちの指導にも精を出してほしい」と大会を振り返った。 一部選手の間では水準、人口の低下を嘆く声もあったが、バレーボール協会の姜秀宗会長は、「近い将来全国規模の多様なクラスによる大会を考えている。展望はある。大阪男子、東京女子ではバレーボールを通じて『チョソンサラムチャッキ』(同胞捜し)が行われているし、朝大の3部進出など明るい要素も多い。それに決して競技経験者は少なくない」と語った。 来年には「オモニバレーボール大会」ならぬ「アボジバレーボール大会」も行われる予定だ。 第32回大会開催地は兵庫。(鄭尚丘記者) [朝鮮新報 2003.12.11] |