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〈97年開設のNPO法人同胞法律・生活センター〉 新所長の洪正秀弁護士に聞く

 NPO法人同胞法律・生活センターの所長に今年、新しく就任した洪正秀弁護士に、今後の抱負などについて語ってもらった。

 今後、センターは「ゆりかごから墓場まで」をモットーにし、在日同胞の身上に起こりうるすべての問題をサポートしていくことになる。

 これまでは国籍、在留資格、婚姻、離婚、遺産相続問題など法律相談が多かった。今後もそれを継続させていきながらも、プラスアルファとして生活サポートに力を入れていきたい。

 具体的に、まずは不動産関連のネットワークを構築していきたい。外国人が住宅や店舗を借りるのが難しい状況はいまだに続いている。とくに朝鮮籍の人は、入居を拒否されるケースが多い。

 そこで同胞に不動産を貸してくれる業者を集め、両者をつないでいければと考えている。同時に不動産を所有している人への支援も考えている。

 また、保証人がいなくて部屋が借りられないというニューカマーの人たちのために、契約の際の保証人を代理する会社を立ち上げる構想も練っている。

 福祉問題にも取り組んでいく。日本の社会と同様、同胞社会でも高齢化が進んでおり、福祉の問題はますます重要さを増してきている。センターの相談員の中には介護福祉士もいる。積極的に同胞高齢者を支援していきたい。

 また、保険料を支払いながらもうまく利用していない同胞が多いので、情報の提供なども行っていきたいと思っている。

 ほかにも重要な問題がたくさんある。就職問題をいかに解決していくかは今後の課題だ。結婚や医療関係の問題は、同胞結婚相談センターや在日朝鮮人医学協会などと連携して、側面から支援していく。

 センターは、日本にいるすべてのコリアンを対象にしており、国籍、所属、滞在歴は問わない。最近はニューカマーや民団の同胞からの相談もある。「親身になってくれる」とたいへん喜んでくれたニューカマーもいた。

 すべての在日コリアンのあらゆる、生活をサポートしていきたい。

 【洪所長の経歴】1956年生まれ。東京第6初級、東京第7初中、明治学院高校を経て、75年に明治学院大学経済学部に入学。79年卒業後、会社員を経て、86年に司法試験に合格し弁護士に。95年に人権協会に入会し、今年、センター所長に就任。

[朝鮮新報 2004.9.4]