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総連、民団、京都市国際交流協会共催で京都コリアンサロン「めあり」まつり

 総連と民団の両京都府本部、京都市国際交流協会の3団体が昨年5月から共に運営してきた共同文化事業コリアンサロン「めあり」。その1周年を記念して12日、京都市国際交流会館でコリアンサロン「めあり」まつりが開かれた。3者の共催で行われた同まつりは、在日コリアンと日本市民が手をつなぎ、多文化共生の創造と実現のため、親ぼくを深めていくのが目的。コリアンフーズの屋台、チョゴリ展示会、朝鮮学校生徒らによる芸術公演など朝鮮半島文化の楽しさ、京都の文化の多様さに触れてもらうため、衣食住に関わるさまざまな企画が催された。府内各地から予想を超える約8200人の同胞、日本人、朝鮮学校生徒らが会場を訪れ、盛況を博した。

「協力しあう姿を」

 コリアンサロン「めあり」は、朝鮮半島と日本の間にはさまざまな政治的問題が横たわっているが、それを超越して在日コリアンと市民らの交流を促し、互いの理解を深めようと企画された。総連と民団が継続的な事業に取り組んだのは全国でも初めてのことだった。

好評を博した京都中高中級部生徒の舞踊

 多文化共生社会の実現に向けて、ハングル講座(初級、中級、上級)や朝鮮半島ゆかりの史跡見学会、そして民族教育や無年金問題など在日コリアンの現状などを考えるさまざまなイベントを行ってきた。

 「めあり」は、朝鮮語で「こだま」を意味する。この事業に対する相互理解の輪が京都にとどまらず、「こだま」して各地に波及していくようにとの願いが込められている。

 今回の「めあり」まつり開催に当たっては、15人の実行委員が3月から数十回の会合を開き準備を重ねてきた。地元の地下鉄、市バスなどにポスターを掲示、テレビ、ラジオ、新聞社などを通じて広く宣伝した。

 総連京都府本部の琴基都副委員長(国際部長兼)は、「たくさんの市民に来てもらい、同胞たちが地域に密着し日本人と協力しあっている姿を見てもらいたかった。在日外国人と日本人は、このようにすれば共生していけるのだというモデルケースを作っていけたら」と語る。

多彩なイベント

 当日、会場は午前11時開始の30分前からすでに人だかりができていた。大広場に連なる焼肉丼、冷麺、チヂミ、スジ煮込み、おでんをはじめとする20種類以上の屋台の前にはあっという間に長蛇の列ができた。Tシャツ、ストラップなど「冬のソナタ」グッズも人気。高麗人参茶、松茸など朝鮮の特産物、朝鮮の寝具や雑貨なども所狭しと並んだ。

 大道芸世界チャンピオンMr.Maschuこと金昌幸さんによるジャグリングも披露。携帯電話を鼻の上に縦にのせバランスを取る姿に子どもたちはびっくりしていた。

 韓国茶道協会京都支部の人たちによる茶道紹介コーナーでは、厳かな雰囲気の中で朝鮮王朝時代の茶の世界を堪能。京都府内の朝鮮学校、京都国際学園の授業風景や生徒たちの様々な活動の様子、NPO法人コリアン生活センター「エルファ」のハラボジ、ハルモニたちの姿などを写真で紹介するパネル展示会にも人々が絶えず訪れていた。

最後はオッケチュムで盛り上がった会場

 イベントホールの舞台では、金一志韓国伝統芸術員によるサムルノリ、「韓国通」の女優、黒田福美さんのトークショー、京畿道の民謡歌手・鄭善玉さんの公演、チャリティーオークション、朝鮮学校生徒、京都朝鮮歌舞団の芸術公演などが披露された。韓国スターのサイン色紙などが準備されたオークションも終始盛り上がった。

 チョゴリ試着コーナーでは記念撮影も。普段なかなか着る機会がない、色とりどりの美しい衣装に身を包み、石段で恥ずかしそうにポーズをとる娘の姿をうれしそうに見つめる親の姿が多く見られた。ビッグバザーは、テーブル1台の応接間セットが5000円、定価1万円以上の清水焼きのお皿セットが3分の1以下の値段になるなど、未使用の掘り出し物が続々登場し会場をわかせた。エルメスの大皿を胸に、「定価は2万円以上なのに1000円なんて」と喜ぶ女性の姿も。

 各場所で同時進行の形で行われた「めあり」まつり。最後はホールで公演出演者らと共に、さまざまな世代がオッケチュムを踊り、会場内の盛り上がりも最高潮に達した。

 なお、今回のまつりで行われたオークション、バザーなどの収益は、京都府内の朝鮮学校、京都国際学園、インターナショナルスクールに寄付される。

「朝鮮はひとつや」

 兵庫から京都に嫁いできたという金香順さん(31)は、「朝鮮学校生徒たちの公演を見て昔を思い出し、懐かしい気持ちでいっぱいになった。昔は民団と共にする催しがあまりなかったが、みんなで仲良くなっていけたらいいですね」と話した。

 沢井紀恵さん(50)はバザーで入手した商品をうれしそうに両手にぶらさげながら、「在日コリアンの友だちはあまりいなかったけど、今日は収穫もあり、とても楽しかった。とくに茶道が興味深かった。また来たい」と顔をほころばせていた。

 在日本大韓民国青年会京都府地方本部の宋基和会長(33)は、「同じ在日コリアンの立場として協力し合い、イベントを行うことができて本当によかった。多くの日本人がこういう場を通じて『朝鮮はひとつなんやなぁ』と感じてくれたら。組織に関わっていない在日コリアンをどんどん輪の中に入れて行きたい」と述べた。

 同協会事業課の岡本昌也企画事業係長(40)は、「共生し、友好を築くためには内輪だけの活動だけでなく、一般の人たちにもどんどん目を向けるべきだと思う。政治色を排除し、民間レベルで交流を深めていかなければならない。今日は天気も味方してくれたのか、予想以上の集まりだった。これからもずっと続けていきたい」と熱く語った。(崔良先記者)

[朝鮮新報 2004.9.16]