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〈第10回在日同胞大登山大会〉 神奈川、箱根山系に各地から200余人集う

 今年で10回目を迎えた在日同胞大登山大会が10月31〜11月1日、神奈川県の箱根山系で行われ関東、東海、近畿の各地方から200余人の同胞愛好家らが参加した。大会は、初心者向け一般大衆コースとして、箱根園−ロープウェーに乗り箱根駒ケ岳−神山(1438m)−早雲山−下山の「鼻」、駒ケ岳−早雲山−下山の「匹」の2コースを設けたAコース、健脚者向けの明神ケ岳−明星ケ岳−宮城野−強羅のBコース、岩登(ロッククライミング)愛好家、専門家向けの真鶴幕岩を登るCコースの3つのコースで行われ、それぞれが2日間交流を深め楽しんだ。

3コースに分かれ実施

「登山協会万歳」。200余人の愛好家らが参加した第10回在日同胞大登山大会

 Aコースに参加する東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪の参加者らは10月31日朝、新宿駅に8時半に集合しバスで箱根へと向かった。昨年の大会に参加した旧知の間柄の同胞たちは、1年ぶりの再会を果たした喜びからかバスの中で約3時間近くの間、和気あいあいとした一時を過ごしながら、各地からの参加者が合流する箱根へと向かった。

 現地に到着すると昨夜からの雨もすっかりと止んで空は晴れ上がった。一帯は霧に包まれ景色を楽しむことはできなかったが、参加者らは若い頃に戻ったかのように、遠足気分の軽い足取りと活気あふれる表情で駒ケ岳登り口行きのケーブルカー乗り場を目指した。そして、すでに到着している各地からの参加者らと再会を喜び合い、大会に参加した目標を一つ達成した。

悪い足場を助け合い上り下り

 一般大衆コースとはいうものの、朝まで降り続いた雨のせいで足場が悪く行程は決して楽ではなかった。しかし年に一度、各地からの同胞愛好者が集っての登山はやはり格別なものがある。参加者らは互いに助け合い、一緒に笑い、汗をかきながら、大きな事故もなく無事に登山を終えた。

 この日夜には、一行全員がそろって宿舎のホテルで宴会が催され、総聯中央の金尚一文化局長、在日本朝鮮人体育連合会の鄭元海会長、地元の神奈川体育協会の崔哲会長らも駆けつけた。

 宴会では乾杯の音頭の後、北関東歌舞団の公演が行われ、歌やチャンゴのリズムに合わせて参加者らが踊り出す一幕も。再会を喜ぶ同胞、新しくできた友と会話を楽しむ同胞など大いに盛りあがった。宴会最後には、「統一列車」で会場を巡り、輪になって全員で「我らの願い」「ハナ」を熱唱した。

 2日目は各地域別に金時山や岩登、箱根園や箱根関所などを訪れ観光を楽しんだ。

もっと若者の参加を

きれいな空気、楽しい会話で疲れも知らず。笑みがこぼれる

 来年で結成10周年を迎える在日登山協会。金英会長(79)は「山は健康のためにもとてもすばらしいスポーツ。山を登ることだけではなく全国各地から集まった愛好家たちと交流を深め、合わせて連帯感を持てることに意味がある。全国的に連帯できることはすばらしいし大切なこと。これからも全国的な交流を深めていきたい。これからは、どんどん若い人たちが協会を盛り上げていってほしい」。

 一般コース下山後、降りだした雨の中で、参加者の最後尾が到着してないことに気づきライトを手に「救助」に駆けつけた茨城県・李哲洙さん(34)は、「参加は今回で2回目。今回も全員がアットホームな雰囲気の中で互いに助け合い親ぼくを深めることができた。若い人にも参加を呼びかけていきたい」。

 「足場が悪く、転んだり息は切れるしで人生最悪の経験かと思ったが、男性参加者たちが助けてくれたりみんなが支えになってくれ本当に感動した。参加して良かった。来年は事前に鍛えてまた挑戦したい」と語るのは埼玉県の金徳順さん(62)。

大会のメインでもある大宴会。「統一列車」で盛り上がった

 大阪府から参加した姜元煕(70)、呉福順(64)夫妻。姜さんは「参加は3回目になる。登山はほんとにしんどかったが先輩たちに再会できてうれしかった。来年は大阪からもっと多くの人に参加してもらい楽しみを分かち合いたい」。また呉さんは「今年、はじめて参加した。登山はしんどかったけど登りきることができて良かった。全国から集まり本当に楽しかった。来た甲斐があった」と感想を述べた。

 参加者らは、再会を約束しそれぞれ帰途についた。

 来年は協会結成10周年。会員たちの熱い要望に応え、記念すべき1回目の開催地、名山の多い長野県で行う予定だ。(写真、文=盧琴順記者)

[朝鮮新報 2004.11.11]