総連中央元財政局長に対する東京地裁の有罪判決は「不当な政治弾圧」と総連中央副議長 |
東京地方裁判所が3月26日、康永官総連中央元財政局長に対し懲役6年という不当な有罪判決を言い渡したことと関連し、゙令鉉副議長が同日、東京都千代田区の朝鮮会館で記者会見を開き発表した談話全文は次のとおり。 東京地方裁判所は本日3月26日、日本捜査当局が不当に拘束、起訴した朝鮮総連中央本部の康永官元財政局長に対し、懲役6年という不当な有罪判決を下した。 私たちは、これを東京地方裁判所による意図的な政治的判決とみなし、すべての在日同胞の民族的怒りをもって断固糾弾する。 今回の判決は、過去2年間の公判過程を通じて、いわゆる容疑となっている「業務上横領事件」と元財政局長とが何ら関係がないことが明確に論証されたにもかかわらず、日本捜査当局の虚偽の調書にもとづいて行われた不当な政治弾圧である。 この虚偽の調書がねつ造された2001年秋は、アメリカで起きたテロ事件を契機に日本の反動勢力による、朝鮮民主主義人民共和国を「仮想敵対国家」とする「有事体制」確立の動きが露骨に強まる中で、「朝銀問題」を口実に朝鮮総連に対する前代未聞の弾圧騒動が繰り広げられた時期である。 日本捜査当局が、不純な政治的意図をもってねつ造した虚偽の文書を根拠に、罪のない元財政局長を不当逮捕し、数百人の警察力を動員して朝鮮総連中央本部会館をはじめ朝鮮総連東京都本部会館、同西東京本部会館を強制捜索したことは、類例のない暴挙である。 2年半にわたる公判過程において、弁護側の証人陳述はもちろんのこと検察側の証人陳述を通じて、今回の裁判で重要な争点になった「仮名口座」なるものについて元財政局長は当初よりその存在すら知らなかったことが明白になっている。 それにもかかわらず、東京地方裁判所が白を黒と言いくるめるがごとく有罪判決を下したのは、朝鮮総連に対する日本当局の政治的弾圧を正当化しようとするものである。 本来、裁判所は、政治的、かつ恣意的な判断を排除し、公判過程に提出される証拠にもとづいて公正な判断を下すべきである。 今回の有罪判決は、司法の独立性と公正性を自ら放棄した不当判決である。 今回の公判過程では、康永官元財政局長の初歩的な人権までも踏みにじられるなど、不当に処遇された。 元財政局長は重度の関節炎を患っていた2001年11月に逮捕されてから今日に至るまで不当に拘束されており、弁護団は彼の治療と健康回復のために15回にわたって保釈請求を行ったにもかかわらず、日本の司法当局は「証拠隠滅」や「逃亡のおそれ」を口実に一貫して拒絶した。 私たちは今後とも、今回の判決の不当性を徹底して追及し、康永官元財政局長の無罪釈放を勝ち取るまで断固たたかう所存である。 私たちは、日本国憲法と国際人権規約にもとづいて、重い病を患っている元財政局長をこれ以上拘束することなく、即時保釈することを日本の司法当局に強く要求するものである。 私たちは、広範な日本の市民のみなさんが、不当な裁判結果に対する批判の声を高め、元財政局長の無罪釈放を求める私たちのたたかいに暖かいご支援を寄せてくださることを心から願ってやまない。 最後に、日本の報道機関各位が今回の判決の不当性と無罪釈放を要求する私たちの正当なたたかいを公正に報道することを望むものである。 [朝鮮新報 2004.4.1] |