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在日本朝鮮人人権協会が「人権と生活」18号発行

 結成10周年を迎えた在日本朝鮮人人権協会。「人権と生活」18号(2004年6月)も、10周年に際した企画が目白押しだ。

 特集は「在日朝鮮人と日本、朝鮮半島」。在日朝鮮人を取り巻く日本社会と南北朝鮮、そして同胞社会の10年を振り返っている。「とにかくこの地は住みづらい−移ろいゆくニッポン、そして『他者』の私たち」(高演義氏、朝鮮大学校教員)、「せめぎあう世界と同胞社会−歴史の進歩に向けて主体たるために」(李柄輝氏、朝大教員)、「在日同胞三世の民族意識についての私的一考察」(朴在勲氏、朝大教員)、「在日朝鮮人の民族的アイデンティティと朝鮮半島」(小林知子氏、福岡教育大学教員)など、いずれも興味深いテーマである。

 人権協会の10年を振り返った、弁護士、税理士、公認会計士による座談会も圧巻。1994年の結成当時に比べ、現在会員数は若い世代を中心に約10倍近くにもなったという。これまでの活動状況を振り返るとともに、今後の課題や克服すべき点などについて語り合った。

 7月15日に第2回公判が行われる東京朝鮮第2初級学校の土地明け渡し問題。その問題点について、弁護士の張學錬氏が寄稿している。張氏はその中で、「この訴訟は、負ければ民族学校が忽然と消えてしまうという結果を招来するものであり、絶対に負けられない訴訟である」「この問題の勝敗は、単に法律論だけではなく、在日の民族教育にかける熱意が裁判所に伝わってこそ勝利につながる」と主張している。

 月刊誌「セセデ」編集部の金里筍さんのエッセー「初の試み『総聯セセデ女性代表団』に参加して」では、朝鮮民主主義人民共和国で活躍する女性たちとの触れ合いを通じて得た彼女たちの考え方、女性の社会進出事情などについて書かれている。普段あまり知られることのない話だけに興味深い。

 頒価=800円、問い合わせ=在日本朝鮮人人権協会(TEL 03・3837・2820、FAX 03・5818・5429)

[朝鮮新報 2004.6.30]