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〈東京朝鮮第2初級学校土地問題〉 歴史的経緯無視した都の訴え

 枝川朝鮮学校支援都民集会「とりあげないでわたしの学校」(「枝川朝鮮学校支援都民集会in江東」実行委員会主催)が24日、東京都江東区総合区民センターで行われ、区内在住者を中心とする同胞や日本人、関係者ら300余人が参加した。東京都は、都有地上に建てられている東京朝鮮第2初級学校(江東区枝川)に対し、校舎の一部を取り壊して立ち退くことと、4億円もの地代相当金を支払うよう求めて昨年12月に裁判を起こした。この日の集会では、枝川に朝鮮人が住むようになった歴史的経緯から見ても都の訴えは不当だとし、訴訟をただちに取り下げるよう求めると同時に、朝鮮学校の問題を在日だけの問題ではなく、日本社会の問題として考えようと参加者に呼びかけた。

江東区民中心に支援の都民集会

300余人が参加した集会(24日、江東区総合区民センター)

 集会ではまず、在日同胞がいかにして民族教育を守ってきたのかを描いた映画「朝鮮の子」(1955年制作)が上映された。

 つづいて田中宏氏(龍谷大学教授)が「戦後日本の中の民族学校」、中沢康夫氏(江東・在日朝鮮人の歴史を記録する会)が「枝川の歴史」、金敬蘭氏(第2初級学校父母の会相談役)が「朝鮮学校の歴史」と題し、それぞれ講演した。金氏は「民族教育は私たちの命。これからも命をかけて守っていく」と語った。

 枝川地区の歴史や立ち退き問題に揺れる朝鮮学校を描いた映像リポート「ぼくらの学校なくなるの?」(2004年)に続き、4人がリレートークを行った。

 第2初級の宋賢進校長は都の不当性を訴え、「これからも子どもたちに朝鮮の文化、歴史を教え、朝鮮人の誇りを持って生きることを伝えていきたい。どの国であろうと、子どもたちには1人の人間として成長するため、学ぶ権利がある」と述べた。

 同校オモニ会の宋美智会長は「子どもたちが安心して学べる環境を作るため、今まで以上に日本の人たちとの多彩な交流を深めていくことが大切だ。これからも温かい協力をお願いしたい」と呼びかけた。

 集会に参加した同校卒業生の鄭景心、羅俊明さんは、「朝鮮学校の問題は日本社会の問題でもある。これからも日本人と手を取り合って(学校のために)活動していきたい」「子どもたちを学校がなくなるというような不幸な目に合わせるべきでない。第2初級学校は先生、父母、生徒たちみんな仲が良く、アットホームな雰囲気だ。必ず守らなければならない」などと話していた。(崔良先記者)

[朝鮮新報 2004.7.29]