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〈東京朝鮮第2初級学校土地問題〉 問われるべきは日本政府、都〜リレートークから〜

 宋賢進(第2初級学校校長) 現在、第2初級学校では64人の生徒たちが学んでいる。

 私たちはこれからも子どもたちに朝鮮の言葉、文化、歴史を教え、朝鮮人としての誇りを持って生きることを伝えていきたい。

 この裁判で問われるべきは学校ではなく、戦前、戦後と同化教育を強制して差別政策を続けてきた日本政府であり、子どもの権利条約など国際人権条約によって自治体として、民族教育を保障する義務を負っているにもかかわらず、それを放棄している東京都である。

 どの国であろうと、子どもたちには一人の人間として成長し、自己の人格を実現するために必要な学習をする権利を持っている。

 真の友好を願っている日本の方々もたくさんいる。多大な支援をお寄せくださることを願っている。今後ともよろしくお願いしたい。

 宋美智(同校オモニ会会長) 私たちの民族教育のために惜しみない力をふり注いでくれているみなさま方に心よりお礼を申し上げたい。

 「オモニ会」の活動は、何よりも子どもたちが楽しく学び、のびのびと育つための環境作りに学校側とタイアップしながら、補助しているということだ。日本の社会で認められない民族教育を子どもたちに受けさせるためには、経済的な支えがないと維持ができない。同胞や地域の人たち、行政からの支えがあっても運営は苦しく、行事などで品物や食料品を売ったお金で、子どもたちに年に何回か給食を作って食べさせたり、部品などを購入したりして、財政的な運動も行っている。

 最近では助成金獲得運動や大学受験資格問題などに取り組み、わが校だけの問題ではなく、民族教育の未来のために闘っている。私たちの学校、民族教育は在日同胞、理解ある日本の人たちとの努力と協力なしでは維持できない。

 血と汗の結晶といっても過言ではない私たちの財産が取り上げられようとしているだけでなく、このことによって子どもたちが危険にさらされている(嫌がらせ事件など)。

 子どもたちが安心して学べる環境を作るため、今まで以上に日本の人たちとの多彩な交流を深めていくことが大切だ。

 鄭景心(同校卒業生) 現在朝鮮大学校に通っている。私が朝鮮学校に通っていて良かったと思えたのは、同胞社会というコミュニティーの中で、朝鮮人という誇りを持って生きてこれたからだ。

 学校がなくなるということは、民族教育、同胞社会がなくなるというのと同じことだと思う。

 子どもたちに学校がなくなるというような、悲しい思いをさせたくない。今考えてみると私がまだ小学生や中学生のころは、日本の人たちと手を組んで学校の問題を考えるということがあまりなかったように思える。こうやって集会で発言し、集会に多くの日本の人たちが参加してくれたことを心からうれしく思う。

 朝鮮学校の問題は日本社会の問題でもある。これからも日本の人たちと手を取りあって、学校のため、より良い日本社会のために活動していきたい。

 羅俊明(同校卒業生) 昨年12月に第2初級学校の土地を巡って裁判が起きたと聞いた時、とてもびっくりした。自分が学んだ学校で、こんなことが起きるなんて考えてもいなかったし、あの土地が東京都のものだとも知らなかった。

 民族教育を通じて、自分が在日朝鮮人というアイデンティティーや誇りを持つことができた。民族教育があったからこそ、今の自分がいると思う。自分のアイデンティティーの原点は第2初級学校にあった。

 これからも私たちの後輩が楽しく学び朝鮮人として堂々と生きていくため、この学校を必ず残さなければいけない。

 子どもたちを学校がなくなるというような不幸な目に合わせるべきでない。

 第2初級学校は人数も少なく小さな学校だが、先生、父母、生徒たちみんな仲が良く、アットホームな雰囲気だ。必ず守っていかなければいけない。

[朝鮮新報 2004.7.31]