〈月間平壌レポート〉 活気に満ちた冬休み明けの大学 |
【平壌発=姜イルク記者】朝鮮にとって、今年の2月は対内外的に実に忙しい月であった。3日、第2回6者会談の25日開催を発表、中国などと調整を行う一方、3日からは北南閣僚級会談。国内的には金正日総書記の誕生62周年を祝う行事の準備で慌ただしかった。昨年12月末から里帰りしていた大学生らも、冬休みの明けた2月から登校。新年の共同社説の学習、祝賀行事の準備にあたっていた。 共に慶祝の舞台に
各大学で冬休みが明けた授業で最初に行われるのが、新年の共同社説の学習。特に、金日成綜合大学が行っているクイズ形式の学習は市民の間でも有名だ。番号により任意に指名された生徒が各学部の代表として、1万人以上の全校生徒の前で共同社説に関連する問いに答えるというもので、「学部の威信をかけた一大行事」としておおいに盛り上がる。みんな赤恥をかかぬよう学習に必死だ。なかには、人前に立つのが本当に苦手な生徒もいて、万が一の場合に備えて医者も同席しているとか。 これと同時に、総書記の誕生日に際した芸術公演(忠誠の歌の集い)の準備でも盛り上がっていた。朝鮮では全国各地の工場、企業所、農場などすべての機関で芸術公演や運動会、講演会などのイベントを催している。芸術公演の場合、数週間前から単位別に分かれサークル活動を開始し準備をする。当日、審査員によって順位が決まるので、練習にも熱が入るという。 金日成綜合大学では芸術公演も学部対抗で行われ、選抜された生徒と教員が一緒に参加する。昼は普段どおり講義があり、その後、公演の練習をするハードなスケジュールとなっている。 同大学の文学大学民族保存研究室室長のリ・ドンユンさん(60)は、「2月の名節を事業の成果と多彩なイベントで迎えようとする気持ちでいっぱい。講義、研究、そしてサークル活動で肉体的には疲れているはずだが、あふれる学生の熱気で、力が沸いてくる」。 一方、学生たちには教員とのふれあいは好評。文学大学報道学科3年生のホン・ヒョナさん(20)は、「普段、接する機会が少ない先生とも近くなれる。代表に選ばれて光栄」と話していた。 さまざまな記念行事の準備過程は、教員と学生とが一つになる契機になっているようだ。 新たな気持ちで 2月18、19の両日は、食堂、商店など市内のほとんどのサービス機関が休みだった。総書記の誕生日を前後した期間、休まずに「名節特別奉仕」を行った代休だという。 年末(陰暦を含む)の忘年会シーズンは職場の同僚同士が多いが、「名節特別奉仕」期間は家族連れの客でにぎわった。この間、市内には華やかな装飾物がいたる所に飾られ、また、夜はイルミネーションで彩られた。さまざまな慶祝行事が行われ、祝賀ムード一色だった。朝鮮半島情勢は依然として緊張しているが、それを感じさせない光景だった。 行事で会った市民らは、今日の朝米の状況に触れながら、「イラク戦争は、実質的に戦争とは言えない。われわれと戦えば真の戦争というものを味わうことになる」「米国とは決着をつけないとならない」と、自信に満ちて話していた。 一心団結の姿を誇示した一連の慶祝行事、連休後、市民らはまた新たな気持ちで職場に足を運び始めた。 25日からは注目の第2回6者会談が始まった。市民らは大きな関心を寄せて会談の行方を見守っている。 [朝鮮新報 2004.2.27] |