北南学者、「日本海」表記と略奪文化財返還テーマに平壌で討論会 |
【平壌発=金志永記者】6.15共同宣言の精神に沿って北と南で民族共助に対する志向と機運が高まる中、日本の歴史わい曲および過去の清算問題に対する共同の対応が模索されている。2月25日平壌で「日本海」表記の不当性北南討論会と、日帝の略奪文化財返還のための北南共同資料展示会および討論会が行われ、北と南の学者らと各界人士らは、過去の植民地支配を正当化しながら現在も朝鮮民族の尊厳を蹂躙している日本の行為をともに糾弾し、民族史定立に向けた共同の課題について論議した。
討論会には、南から姜萬吉尚志大学校総長を団長とする代表団、北からホ・ジョンホ歴史学学会委員長をはじめとする学者らが参加した。 北南の学者らは、6.15共同宣言の発表後、平壌とソウルで日帝の蛮行を告発する学術討論会を数回にわたって行ってきた。昨年8月の「国号英文表記を正すための北南討論会」に次いで行われた今回の討論会では、日帝の朝鮮占領政策の産物である「日本海」表記と、略奪された文化財の返還問題が主題となった。 参加者らは、「東海」を「日本海」と表記する問題が日帝の朝鮮占領とともに強要されてきたものであり、日本が主張する「日本海」表記をなくすことは、植民地の過去を清算し、民族の自主権を守ることになるということで意見が一致した。 また、日帝が朝鮮で文化財を破壊、略奪したのは朝鮮民族の歴史と伝統を抹殺するところに目的があると指摘しながら、略奪文化財の返還は国際法と国際協約の要求であり、これを順守することは日本の法的義務であることを強調した。 参加者らはこうした一連の問題解決に向け、北と南が協力して共同で対応していく必要性について指摘しながら、民間レベルでの活動をより活発に展開していくことを訴えた。そして、北と南の当局がこの問題で、民族共助の精神を実践するよう促した。
民族史定立のための努力は、学者による研究活動の段階から、北南の具体的な行動を準備する段階に入った。 2月初旬にソウルで行われた第13回北南閣僚級会談で、北は当局間協力のための最初の一歩として、国号英文表記を「COREA」に正す問題を北南共同で国連に提起することを提案した。 今回の討論会では、北と南の参加者が「東海」表記を取り戻し、略奪された文化財の返還を実現するために、国際水路機構(IHO)事務局長と国連教育科学文化機構(ユネスコ)事務局長に送る手紙がそれぞれ採択された。 また、5項目からなる共同決議文も採択され、日帝の犯罪を明らかにし民族史を正すための活動を引き続き行っていくことを表明した。 採択された共同決議文の要旨は次の通り。 1、過去、日本がわが国に対し絶え間ない侵略行為を行い高貴な民族文化遺産を大量略奪した犯罪性、道徳的低劣性を暴露断罪しながら、日本の略奪文化財返還のための運動を最後まで繰り広げていく。 2、日本がわが国の東海を「日本海」とわい曲表記しているのは、わが民族の尊厳と自主権、国際法に対する蹂躙として、わが国の神聖な海を自らの海にしようとする時代錯誤的な膨張野望として糾弾しながら、日本の犯罪的策動を断固として阻止していく。 3、日本が略奪した文化財を取り戻し、わが国の東海表記を固守しようとの北南学者らと各界人士の共同の声に、全民族が合流するよう全ての努力を傾ける。 4、民族の貴重な文化財を略奪し、わが国の東海を「日本海」と造作した日本の犯罪を内外に広く知らせ、正義と真理を貴ぶ世界世論の糾弾の声をさらに高めるため、この問題を扱う国際機構である国際水路機構と国連教育科学文化機構(ユネスコ)に自分の責任を果たすことを要請する手紙を送る。 5、日本が歴史的にわが民族に犯した犯罪行為を断罪しながら、日本によってわい曲され埋れていた民族史を正し、わが文化財を取り戻そうとする北南学者らと各界人士の共同の努力が民族の尊厳と自主権を守るための聖なる偉業の一環となると認め、今後、北南歴史学者協議会を構成してこの運動をわが民族同士力を合わせさらに積極的に繰り広げていく。 [朝鮮新報 2004.3.2] |