米国が南朝鮮で犯した犯罪を暴露する祖国平和統一委員会、祖国統一研究院の備忘録(下) |
米国は、1946年から南朝鮮に兵器を本格的に売り始め、1970年からは年間2億米ドル以上、1978年からは5億米ドル以上、1990年からは35億米ドル以上の武器を売りつけた。 1974年から1992年までの間に南朝鮮の軍当局によって進められた「栗谷事業(兵力増強計画の暗号)」に乗じて230億米ドル分の各種軍事装備を売り、戦闘機は他国比2〜3倍の高値で売りつけた。 このような方法で米国が南朝鮮に売りつけた兵器は、総額320億米ドルに上り、これによる南朝鮮の被害総額は、利子と米ドルの価格変動を考慮すると、1兆836億3358万米ドルに上る。 ▲戦争演習による被害 米国は南朝鮮を占領した当初から、陸海空で各種の戦争演習を絶え間なく行ってきた。 これまで米国が南朝鮮で行った各種の戦争演習と軍事訓練は、公開されたものだけでものべ1万3700余回に上り、そのうち「チーム・スピリット」「連合戦時増援演習」「乙支フォーカス・レンズ」「イーグル」など大規模な南朝鮮と米国の合同軍事演習は900余回、米軍単独の軍、兵種別の戦争演習は2400余回である。 米国の戦争演習によって、家屋や農地、山林、漁場、名山などが大きな被害を受けている。 京畿道華城軍梅香里沖の岩島は、米軍戦闘爆撃機の爆弾投下演習によって跡形もなく消えてしまい、地図から抹消された。 米軍基地や爆撃場、射撃場の周辺に居住する443万人の住民は、国際許容数値の2倍を上回る100〜110デシベルの騒音公害のため寿命が短くなり、聴覚障害、神経衰弱、ガンなどの疾病に苛まれている。 戦争演習による被害額は次のとおりである。 騒音による被害:5578億3246万米ドル、家屋の破壊による被害:125億995万米ドル、農地の破壊による被害:34億2000万米ドル、山林の破壊による被害:18億4291万米ドル、漁場の破壊による被害:21億3759万米ドル 計:5777億4291万米ドル ▲環境の汚染と破壊による被害 米国は南朝鮮に公害産業を持ち込んだ張本人である。とくに、米国が南朝鮮に配備した1000余の核兵器と劣化ウラン弾のため、土地と海、河川がはなはだしく汚染され、荒廃している。 ソウル、浦項、大田など米軍が駐屯していた一部の地域を調査したところ、他の地域に比べて24倍の鉛と7倍のカドミウムが検出され、とくに平沢地域はひどい環境汚染のため、数十年経っても原状に復しえない不毛の地と化した。 また、1960年代に米国が国際的にその使用が厳重に禁止されているにもかかわらず、軍事境界線一帯に7000余ドラム缶の枯葉剤を散布したため、今でもこの地域には動植物が育たないのは言うに及ばず、枯葉剤を散布した軍人とその周辺の民間人が死病に取りつかれている。 米軍は南朝鮮のいたるところに有毒物質を捨て、人民に大きな被害を与えている。 環境の汚染と破壊による土地、山林、河川の被害額は、現状を復元するのに必要な費用を見積もって換算すると、次のとおりである。 放射能汚染による被害:6000億米ドル、枯葉剤による被害:800億米ドル、廃油などによる被害:1000億米ドル 計:7800億米ドル つまるところ、米国による南朝鮮の軍事的被害の総額は、3兆2745億6442万米ドルである。 これは、米軍の南朝鮮駐屯と戦争演習による被害の深刻さを如実に示している。 4.社会的、文化的被害 南朝鮮を占領してからこんにちに至るまで、米国が破壊したり略奪した文化財は、総計3万8100余点であり、その価値は数千億米ドルと推算される。 それらの文化財の中には、朝鮮民族の国宝ともいえる奎章閣の蔵書、徳寿宮博物館の美術品、新羅の金冠、海印寺の八万大蔵経の一部と、中世の画家の絵画、古代の仏像、彫刻、高麗青磁や李朝白磁などの陶磁器、工芸品などが含まれている。 戦時には、爆撃と砲撃によってソウル鐘路の鐘閣、徳寿宮、光化門、民俗博物館、昌慶苑博物館などとともに、聞慶の鳳岩寺をはじめ多数の寺院が破壊された。 米国によって破壊され略奪された文化財は、品目の多様さと高い考古学的価値からしてその価格を一律に計算することは難しい。 米国は、「アメリカ文化院」をはじめ現地の思想、文化伝播機関と米軍を通じて、南朝鮮に米国文化を大々的に広め、占領期間に総額120億米ドルに相当する麻薬を持ち込み、人々を堕落させ、精神的、肉体的障害者にして死に追いやった。 また、多数の南朝鮮女性をりょう辱し、なぶりものにして数十万の娼婦と混血児を生み出すことによって、数千年間受け継がれてきた民族の血統を濁らせ、純粋さを汚そうとした。 米軍による性被害の額は、日本軍の性奴隷補償を基準に算出しても1000余億米ドルに上る。 その他、南朝鮮を占領して植民地政策を実施する過程で広めた崇米事大思想と退廃的な米国文化が南朝鮮人民の思想、意識、精神文化分野に及ぼした悪影響と、科学、教育、文学、芸術分野にもたらした被害は、数量や金額をもって計算することはできない。 これらの事実は、米国は決して解放者、援助者、保護者ではなく、南朝鮮人民に大きな不幸と苦痛、被害のみをもたらした侵略者、略奪者であり、殺人者、破壊者であることをはっきりと示している。 以上の被害集計資料は、南朝鮮当局が公表した各種の統計年鑑、南朝鮮と海外で出版された単行本、個々の人物の証言資料、南朝鮮の政界、財界、学会、言論界などの資料、米国、日本などの外信が発表した資料に基づいて科学的に計算したものである。 被害の調査方法は、国際慣例と南朝鮮の具体的な実態を考慮に入れ、被害額の計算法には国際的に通用している公式を適用した。 南朝鮮を占領してからこんにちに至る約60年の間に米国が南朝鮮人民にもたらした人的、物的被害は、総額43兆1390億2063万米ドルに上る。 これは、この50年間の南朝鮮の国民総生産の7倍にあたり、米国の年間国内総生産の4倍を上回る天文学的数値であり、米国が南朝鮮人民にどれほど大きな被害をもたらしたかを如実に示している。 この数字には、算術的計算が不可能な精神文化領域の被害額は含まれておらず、さらには米国が南朝鮮を占領して植民地支配を実施することによって、正常な社会的、政治的発展を阻み、北南間の分裂と対決を助長して民族の統一的な発展を妨げた犯罪は反映されていない。 またこの数字は、北半部地域にもたらした被害は除外し、南朝鮮人民に及ぼした被害だけを、これまでに発掘され公開された資料に基づいて暫定的に集計したものである。 したがって、全朝鮮民族に対する米国の犯罪をすべて計算した場合、その被害額ははるかに大きいものになるであろう。 今後、米国による被害の調査を続け、朝鮮の北半部にもたらした被害も徹底的に調査して、全民族的規模で米国の罪業を総決算するであろう。 朝鮮民族が弱小民族の悲しみを味わい、被害者であり続けた時代は過ぎ去った。 米国は6.15共同宣言のもとに志と力を合わせて力強く前進しているこんにちの朝鮮民族を直視して、分別ある行動を取るべきであり、歴史的に朝鮮民族にもたらした計り知れない被害についてしょく罪する意味でも、対朝鮮政策を転換させなければならない。 南朝鮮人民は米国に対していかなる幻想も抱いてはならず、民族自主の立場をとり、民族の尊厳と自主権、利益を固守していくべきである。 とくに、歴史的な6.15共同宣言が示した「わが民族同士」の理念にのっとり、民族共助によって国の統一を成し遂げるため、こぞって立ち上がるべきである。 われわれはこの機会を借りて、朝鮮民族の自主偉業と祖国統一偉業に対する連帯の声をさらに高めるよう内外に訴えるものである。 [朝鮮新報 2004.3.4] |