安京浩祖平統書記局長、統一ニュースとのインタビュー要旨 |
安京浩祖国平和統一委員長(祖平統)副委員長兼書記局長は、文益煥牧師平壌訪問15周年記念北南統一集会(4〜6日)に参加するため中国・竜井を訪問した際、南のインターネット新聞、統一ニュースのインタビューに答え(6日)、北南、朝米問題などについて言及した。以下、その要旨を紹介する。(翻訳、編集部)
6者会談は急がない ―第3回6者会談と実務グループ(作業部会)の展望について。 安 われわれが急ぐこともないし、急がない。米国の肯定的な反応がない条件下では、われわれはそんなに急ぐこともない。時間は彼らだけに有利なのではない。 ―難航の理由は? 安 われわれは第1段階で、「言葉(約束)対言葉」という提案をした。われわれが提案をしたら、彼らもそれに相応する言葉を投げ返すべきではないか。しかし、最初の段階から彼らは動いていない。われわれに対して、どういう態度の変化を見せるかが問題だ。 イージス艦を東海岸に配置し、一方では軍事境界線一帯で戦争演習をして軍事的圧力をかけ、一方的な要求を突きつけている。われわれがこうした状況をじっと座って待っているわけがない。 ―現在は6者会談、実務グループの展望はそれほど楽観的ではないということか。 安 米国の態度を見ると、情勢はこれからも相当に緊張するだろう。われわれはそれを覚悟して準備する。われわれは、(3月31日外務省スポークスマン談話を通じて)決定的な自衛的対応措置を取ると言った。それだけ情勢は緊張する。 問題は米国がどういう態度を取るかだ。われわれは出すものは出したが、彼らは一歩の譲歩もない。われわれの要求にひとつも答えていない。 ―去る3月23日から25日まで中国外交部長の平壌訪問後、南政府も6者会談開催の可能性について言及したが。 安 それは、われわれにかかっている問題ではない。 濃縮ウラン問題も彼らが答えなければならない。どこにあると言うのか。証拠を出してみろと言っても彼らは答えない。根拠をもってそのようなことを言わないとならない。圧殺しようとする態度、こうなると対話はできない。 自主的立場をはっきりと ―第13回南北閣僚級会談(2月上旬、ソウル)で北側団長は、特に経済協力に強い不満を表した。この背景と展望は。 安 南側は、言葉では経済協力と言うが、実質的な経済協力はない。われわれは、開城に3万坪という広い土地を提供した。これはわれわれの平和愛好的な措置だ。軍事境界線の近くで、軍事的に鋭敏な地域だ。人民軍が布陣していたが、みんな外に出た。そしてその土地を工業地区として宣布した。これだけ見ても、われわれの平和意志がどれだけ真しであるかわかるだろう。 開城工業地区の話が出てもう4年が経つ。この間われわれは、開城工業地区法などの関連法を発表したが、南は、国会議員をはじめ高位級人士が観光ばかりしに来て何ひとつ措置を講じていない。たいへん遺憾に思う。 南の自主的な態度がはっきりせず、民族の内部問題である経済協力が米国の干渉を受けるのが問題だ。 ―6.15共同宣言発表後の、当局、民間を含めた南北間交流、協力に対する評価、そして、今後の交流と協力に対する方向と展望は。 安 南当局は、米国の制約から抜け出す立場が必要だ。これをある程度でも克服しないと、北南間の協力は大きな前進を期待できない。 今までの協力事業の成果に大きなものはない。生産部門への投資がない。衣服の賃加工が大きな協力と言えるのか。支援の形態で送ってくる肥料、米に対してはありがたく思っている。しかし、経済協力らしい大規模の生産投資はほとんどない。 これは南政府の立場と関連している。投資についてわれわれは政府、民間を問わない。これを制約する外的要因から抜け出すことが大事だ。 ―南北間交流を一段階引き上げるべきだという指摘も一角で出ている。 安 北南関係の画期的進展は人民の願いだ。実質的な進展は、外部の制約でうまくいっていない。 南当局は政治的空白期と変わらない状況にあり、今すぐは期待できない。 もちろん今後は、国会会談も可能ではあるが、6.15共同宣言発表から現在まで、当局間は対話したが、われわれは南の国会を相手にしなかった。 南の人民から排撃されている国会を相手にしてわれわれが何の得をするのか。ましてハンナラ党は、6.15共同宣言に逆行する集団なのに、彼らと向かい合ったらけんかしかできない。それでわれわれは南の国会とは対話しなかった。しかし今回の総選挙で本当に健全な国会、統一を志向する肯定的な国会が構成されるなら、検討したい。 ―南での大統領弾劾が南北関係に及ぼす影響は。 安 われわれは弾劾政局というのが、南の人民の要求に従って解決されることを願う。そうしたら南当局の動きの幅が広がるし、それだけ北南関係でもいろいろ肯定的な大胆な措置を講ずることができると思う。 総書記は約束を守る ―南では、総書記のソウル訪問を期待している。前提条件はあるのか。 安 総書記の決心による問題だ。われわれが下から、ソウル訪問の可能性、その前提条件を語るのはおかしい。上が決めることだ。 ―可能性は依然として残っているのか。 安 総書記のソウル訪問問題は、6.15共同宣言に盛り込まれている。総書記はこのような重みある約束を破ったことがない。金日成主席が最高位級会談を1週間前にして死去し、会談できなくなった。そのときも総書記は、延期すると公表した。それから何年かして、金大中大統領と会うという歴史的場面をもたらした。総書記はいったん決心したら必ず実行する。 ―現在、祖平統委員長の席は空席だといわれているが、金容淳書記の後任問題は論議されているのか。 安 決まったことはない。現在空席になっている。 ―祖平統と民族和解協議会(民和協)、朝鮮アジア太平洋委員会(ア太)の関係は? 安 祖平統はわが政府の公式的なスポークスマンだ。非常任組織だが、重要な問題を論議し、政策表明などをする統一専門機関だ。北南関係を民間級で主に見るのが民和協だ。ア太は、元来は基本的に対外関係を見る。特殊な例として南側の現代、大宇と関係した場合もある。しかし基本的には民間級の協力、交流は民和協で見る。 [朝鮮新報 2004.4.19] |