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一つの民族再確認、平壌で初めて行われた北南労働者統一大会

 【平壌発=文光善、李松鶴記者】6.15共同宣言実践のための2004年北南労働者メーデー統一大会が1日、平壌で行われた。分断以後、北南の労働者が平壌で大会を開くのは初めてのことで、北と南が一つの民族であることを示すとともに、情勢が緊迫しようと必ず統一を成し遂げるという民族の意志を再確認する場となった。

「離すのが惜しい」

綾羅島で行われた北南労働者統一大会参加者ら

 綾羅島遊園地と牡丹峰で行われた大会では、開幕行事と連帯大会に続き、6.15共同宣言にちなんだ6.15キロ統一マラソン、障害物リレー、綱引きなどの様々なスポーツ競技が行われた。

 「連帯」と「連合」チームに分かれて競技に参加した北南の代表は、初対面にもかかわらず呼吸がぴったりで、誰が北の代表で誰が南の代表かわからないくらいだ。

 6.15キロマラソンに参加した北南の選手たちの中にはスタートからゴールまで手をつなぎ、沿道で温かい声援を送る平壌市民たちに「北と南が力を合わせて統一を実現しよう」と叫びながら走る選手たちも多かった。

娯楽競技に夢中になる北と南の労働者

 男女がペアを組んで行った障害物競走では、競技を終えた後も手をつないでいる人たちが多く、「こうして北の女性の手を握ることができた。離すのがあまりにも惜しい。言葉を交わしているうちに旧知の友人のように情が通じるから不思議だ」と口々に言っていた。

 楽しいひと時を過ごし昼食をとった後、参加者らは牡丹峰に会場を移した。

 牡丹峰にはメーデーを祝って家族や会社の同僚同士で遊びに来た市民が多く、彼らは南の代表が到着するやいなや熱烈に歓迎した。乙密台に至る道の両側には、市民たちが集い南の代表と握手を交わしながら、「必ず統一してまた会いましょう」などと声をかけていた。

 なかには「北と南は統一してこそ初めて世界に羽ばたくことができる。南に帰ったら一人でも多くの人に伝えてください」と涙ながらに南の代表たちを歓迎するハルモニたちの姿も。南の代表たちも「帰ったら必ず伝えます。統一するまでどうぞお元気でいてください」とハルモニたちの手を握りしめながら答えていた。

 北南のアーティストが参加した公演に続き、大会の閉幕式が行われ、6.15共同宣言を支持し貫徹すること、統一事業で先駆者的な役割を果たすこと、戦争を防ぎ平和を守るためにたたかうこと、などを謳った決議文が採択された。

「1.5キロ太った」

 民主労総のカン・スンギュ首席副委員長と「韓国」労総のパク・ホンス非常対策委員会委員長を共同団長とする309人の代表団は、4月30日に平壌入りした。

牡丹峰で平壌市民の歓迎を受ける南の労働者

 滞在期間、代表団は万景台、万景台学生少年宮殿、妙香山の国際親善展覧館、普賢寺、平壌地下鉄、大同江ビール工場などを参観した。

 また、最近では南の代表団がかならずと言っていいほど立ち寄る統一通りのタンコギ店と玉流館の冷麺なども楽しんだ。

 ペ・キホンさん(33)は、「平壌に来て1.5キロも太った。料理がおいしいのが一番の『原因』だろうが、市民の温かい歓迎や環境の良さから来る居心地の良さも『一因』だろう」と語った。

 南に戻る3日の昼食時に玉流館で冷麺を食べ、午後に大同江ビール工場を見学したこともあり、「冷麺を3杯食べ、できたてのビールまで飲んだので、お腹が一杯。苦しくて飛行機に乗れないので、私を残して先に帰ってくれ」と笑いながら話すメンバーもいた。

 6.15共同宣言の発表後、北南の交流がさかんになるにつれ、人々の交流も特別なものではなく自然なものになりつつある。見学や参観の途中であいさつや握手を求める南の代表団に対し、北の人々は古くからの友人に会ったように快く彼らを受け入れた。

 「北、南と分けること自体がナンセンス。私たちは一つの民族なのだから」。大会に参加した北のユン・ユンオクさん(30)の言葉が実感を帯びて思い起こされた。

[朝鮮新報 2004.5.7]