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〈第14回北南閣僚級会談〉 6.15履行の前提問題解決を

 【平壌発=李松鶴記者】第14回北南閣僚級会談が4日から7日まで平壌で開催された。会談は、4月15日に南で実施された総選挙の結果など、統一に向けた有利な環境が整いつつある時期に行われ、内外の大きな期待と関心を集めた。会談では、北南軍事当局者会談を開催することと、次回会談の日程(8月3〜6日)が盛り込まれた共同報道文が発表された。北側は会談で、南側が米国と行っている合同軍事演習、北の体制に対する南側の態度、北を中傷、冒とくする南側の放送中止など、6.15共同宣言の基本精神に沿って祖国統一を成し遂げるうえで基本となる問題について提起したが、南側の拒否によって共同報道文には反映されなかった。

4日から7日まで平壌で開催された第14回北南閣僚級会談

 今回、将星級が参加する北南軍事当局者会談の開催が合意されたが、北と南はすでに4年前国防長官会談を一度開いている。2000年9月、初となる会談には北の金鎰武l民武力部長と南の趙成台国防長官が参加し、朝鮮半島の緊張緩和と平和保障に向けた双方軍部の意志が反映された共同宣言文を発表した。また、陸路開通問題と関連する北南軍事実務委員会を設けることにした。

 それ以後、実務会談は開催されてきたが、将星級が参加する軍事当局者間の会談は初の開催となる。

 軍事当局者会談の議題が注目されるが、今回の閣僚級会談で北側は、朝鮮半島の緊張緩和と平和保障問題について触れている。

 北側は会談で、南側が米国と共に行っている合同軍事演習問題について提議した。

 演習は全般的な朝鮮半島の情勢を緊張させ、北南関係を危くする基本要因のひとつになっている。南側と米国は今年に入り4月までの間に、「フォールイーグル」と連合戦時増援演習など、大規模な合同軍事演習を8回も行っている。また、米国がミサイル防衛システムの構築という名目で9月から朝鮮東海に迎撃ミサイルシステムを備えたイージス艦を常時実戦配備すると公言していることに対しても南側は黙認している。

 北側はこのような問題を指摘したうえで、米国との「共助」は、わが民族同士の精神に反する行為だと追及した。

 これまでの閣僚級会談で北側は南側に対し、わが民族同士手をつないで統一の道を切り開こうという立場なのか、米国と「共助」して過去の対決時代に戻ろうとする立場なのかを明白にするよう再三求めてきた。北は、このような原則的問題が解決されてこそ北南関係の新たな発展が可能であると主張している。

 今回の会談で北側は、南側がこれから米国との合同軍事演習に参加せず、米国のイージス艦の朝鮮東海配備を中止させるため共同で努力するという内容を共同報道文に盛り込むことを提議した。

 今後開催される北南軍事当局者会談でも、北側はこのような主張を展開すると予想され、南側の態度が注目される。

合意違反を指摘

 会談では、北の体制に対する南側の態度についても討議された。

 4月上旬、金剛山で行われた第9回離散家族、親せき対面の際、南側統一部の関係者が北の政治体制に言いがかりをつける行為を働き、日程が中断された。これまで北側は、相手側の思想と制度を否定する行為に対して強く抗議し、その度に南側は再発防止を約束してきたが、統一部の職員がこのような行為を働いた事実を北側は重く見ている。

 北側は会談で、双方の合意を違反したことに対して南側が公式謝罪し、再発防止につとめ、相手側の思想と制度を認定、尊重すべきだという双方の合意事項を誠実に履行することを確約するよう求めた。

 さらに北側は、南側が北側に向けた誹謗中傷放送を中止せず、最近、北を中傷、冒とくすることを専業とするインターネット放送局も開設されたことを指摘した。

 誹謗中傷放送中止問題は、すでに2000年6月の最高位級会談で合意し、昨年7月の第11回閣僚級会談でも再び協議して原則合意を見た問題だ。南側はこの問題が提起されるたびに、「多様性」「言論の自由」を口実にして目を背けてきたが、双方が合意した以上は、これに反する行為はすべきでない、というのが北側の立場だ。そして北側は放送を直ちに中止すべきだと主張した。

民間より遅れ

 北側の提案はすべて、6.15時代の北南関係発展において必ず解決されなければならない問題であると同時に、6.15共同宣言と双方合意事項を履行するうえで前提となる問題であった。

 会談で北側はこのような問題を提起しながら、南側の提案も包括した合意文書草案を提出したが、南側はこれを受け入れられないとして、具体的合意がないまま会談は終わった。

 会談に先立って平壌で行われた北南労働者メーデー統一大会では、統一を成し遂げるという全民族の意志を内外に強くアピールした。

 軍事当局者会談の開催は決まったものの、今会談にのぞんだ南側の態度は、民間よりも当局が統一の大きな流れから遅れをとる結果をもたらした。

[朝鮮新報 2004.5.11]