国際包囲網形成を4つのテーマで分科会 |
22日には、@日本軍「慰安婦」A被害者の遺骨問題B強制動員C日本教科書問題の4つのテーマ別に分科会が行われた。 日本軍「慰安婦」分科会では洪善玉委員長が報告し、▼敗戦60周年を前に日本政府を取り巻く国際包囲網を形成して圧力をかけ▼国際世論喚起のために来年の7月までに署名を収集し、国連人権委員会と日本政府に提出する▼国際司法裁判所に提訴し、被害者の人権回復のために国連人権委員会をはじめ国際機構に訴える―などの新たな提案を行った。 南・日合同調査で遺族判明 遺骨問題分科会では、被害者の遺骨が日本国内に放置されている実態が明らかにされた。朝鮮女性と連帯する日本女性の会の清水澄子代表は、日本政府は遺骨になっても差別を行っていると追及した。 北海道の札幌別院には101人分の遺骨が合葬されているが、調査の過程で美唄炭鉱に強制連行されたグ・グンチョルさんの遺族2人を探し出した。2人は会場を訪れ、報告に聞き入った。 姪のリ・ソンドクさんは「行方不明と思い込んでいた。突然の消息≠ノ驚きと怒りを禁じえない」と語った。報告者の殿平義彦さんは、「南と日本との共同調査によって遺族が判明した。今日を契機に幅広い合同調査を行っていきたい」と語った。 ソウ市内の中学生も参加 強制動員分科会には、ソウル市内の中学生約50人も参加した。栃木県の足尾銅山に強制連行された鄭雲模さんの証言に聞き入っていた中学3年生の女子生徒らは、「今日の証言を聞いて、日本と日帝の意味の違いにとまどい、ショックだった。日本は教科書をわい曲せずに正しい歴史認識を持ってほしい」などと感想を話した。 閉会式では共同声明が発表され、国際司法裁判所など国際機構を通じた活動と、日本の反人道的犯罪清算のために各国で立法、署名運動を展開することなど具体的かつ実践的な対策について言及した。 今回、南の数十人の若者がボランティアスタッフとして参加した。キム・スヨンさん(22、「日本の教科書を正す運動本部」)は「被害者の痛みに常に共感し取り組んでいかねばならない」ことを痛感したという。 今回、初めて出会いを果たした北のリ・サンオクさんと「ナヌムの家」で暮らす「慰安婦」被害者の女性たちは、共に体験を語りあいながら何度も抱き合い、涙を拭っていた。 最終日の24日には南北交流会が催された。16歳で台湾の「慰安所」に送られ特攻隊の性奴隷にされた李容洙さん(77)の歌うアリランに合わせ、リ・サンオクさんは満面に笑みを浮かべ共にオッケチュムを披露した。「今度再会するときは日本が過去の清算を果たし、祖国の統一が実現している時だ」と、全員で再会を約束し合ったと語った。 全員で「われらの願い」を合唱し、「統一列車は走る」の曲に合わせ会場を練り歩き、一日も早い統一を願った。 野平晋作さん(東京都、ピースボート)は「今も被害者、遺族が生存しており強制連行は現在進行形の問題だと強く思った」と、解決を急がなければと話していた。9月には平壌で第3回会議が予定されている。(文と写真=朝鮮人強制連行真相調査団) [朝鮮新報 2004.5.31] |